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3 猫と王子と性奴隷
3ー10 ほっといて!
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3ー10 ほっといて!
「こうしてお前と一緒に旅をするのも久しぶりだな、ローリア」
満面の笑顔でユーリスがフェイルの背中をバンバン、叩くのでフェイルは、複雑そうな顔をしていた。
今、僕たちは、騎士団の馬車に乗って王都へと向かっている。
なぜ、こうなったのか?
それは、僕より旅慣れている勇者が南に向かう前に魔王の森の近くにあったちょっと大きな街でこの時期に行われる祭りによっていこうと言い出したことが原因だった。
それは、大きな湖の畔にある街でなんでも湖の女神を讃える祭りなのだとか。
だが。
ちょっと立ちよったその街にいたのは、ユーリス副騎士団長が率いる騎士団だった。
そして。
めざといユーリスによって僕らは発見され確保され。
今に至るというわけだ。
僕らが旅をしていることを勇者から聞き出したユーリスは、うまいこと勇者をたらし込み途中、王都によるようにと仕向けたのだ。
「ぜひ、魔王討伐の報告を直接して欲しい」
とかなんとか。
できないし!
勇者は、死んじゃってるし、僕は、魔法が使えないことになってるし!
誰が倒したって報告するわけ?
そう言うとユーリスは、しばしの黙考の後、笑顔で僕たちを見た。
「なら、魔王討伐は、死んだ勇者の手柄としよう。せっかくなので王都の私の屋敷にお前たちを招待したい」
はい?
この人、絶対に何か企んでるよね?
だって、目が笑ってないし!
だいたい、魔物に憑依してる勇者がそんな場所に近づくなんて無謀すぎっ!
だけど、勇者は、あっさりとOKしちゃったし!
ねぇ、バカなの?
勇者様って、脳筋なの?
僕たちが今、1番近づいちゃダメなとこがあるとしたらそれは、王都でしょ?
そう言って止めたんだけど、勇者は、聞き入れないし!
「同じ者を愛する者同士、語り合いたい!」
何が、同じ者を愛する者同士、だよ!
実際にユーリスの告白を聞いた時には、あんなに怒ってたじゃないか!
なんで語り合っちゃうのかな?
とにかく嫌な予感しかしないし!
盛り上がってる勇者とユーリス副騎士団長の話を上の空で聞きながらむくれてたらユーリスがご機嫌そうな様子で僕を覗き込んできた。
「何か問題でもあるか?サク」
ユーリスは、僕を気遣う様子を見せる。
「なんでも私ができることがあれば言ってくれ。遠慮はしなくてもいい」
うん。
なら、僕たちのことは、ほっておいて。
でも、そんなこと僕には言えなかったんだ。
「こうしてお前と一緒に旅をするのも久しぶりだな、ローリア」
満面の笑顔でユーリスがフェイルの背中をバンバン、叩くのでフェイルは、複雑そうな顔をしていた。
今、僕たちは、騎士団の馬車に乗って王都へと向かっている。
なぜ、こうなったのか?
それは、僕より旅慣れている勇者が南に向かう前に魔王の森の近くにあったちょっと大きな街でこの時期に行われる祭りによっていこうと言い出したことが原因だった。
それは、大きな湖の畔にある街でなんでも湖の女神を讃える祭りなのだとか。
だが。
ちょっと立ちよったその街にいたのは、ユーリス副騎士団長が率いる騎士団だった。
そして。
めざといユーリスによって僕らは発見され確保され。
今に至るというわけだ。
僕らが旅をしていることを勇者から聞き出したユーリスは、うまいこと勇者をたらし込み途中、王都によるようにと仕向けたのだ。
「ぜひ、魔王討伐の報告を直接して欲しい」
とかなんとか。
できないし!
勇者は、死んじゃってるし、僕は、魔法が使えないことになってるし!
誰が倒したって報告するわけ?
そう言うとユーリスは、しばしの黙考の後、笑顔で僕たちを見た。
「なら、魔王討伐は、死んだ勇者の手柄としよう。せっかくなので王都の私の屋敷にお前たちを招待したい」
はい?
この人、絶対に何か企んでるよね?
だって、目が笑ってないし!
だいたい、魔物に憑依してる勇者がそんな場所に近づくなんて無謀すぎっ!
だけど、勇者は、あっさりとOKしちゃったし!
ねぇ、バカなの?
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そう言って止めたんだけど、勇者は、聞き入れないし!
「同じ者を愛する者同士、語り合いたい!」
何が、同じ者を愛する者同士、だよ!
実際にユーリスの告白を聞いた時には、あんなに怒ってたじゃないか!
なんで語り合っちゃうのかな?
とにかく嫌な予感しかしないし!
盛り上がってる勇者とユーリス副騎士団長の話を上の空で聞きながらむくれてたらユーリスがご機嫌そうな様子で僕を覗き込んできた。
「何か問題でもあるか?サク」
ユーリスは、僕を気遣う様子を見せる。
「なんでも私ができることがあれば言ってくれ。遠慮はしなくてもいい」
うん。
なら、僕たちのことは、ほっておいて。
でも、そんなこと僕には言えなかったんだ。
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