転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ

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 シャル・アルマ・コンティーヌは、困惑していた。
 突然に振りかかってきたその災難は、彼の許容範囲をとっくに越えていた。
 無理もない。
 なよなよしているとはいえシャルだって立派な男の子。
 それが、不意にそのアイデンティティーが揺らぐような出来事が起きたのだ。
 というのも全ては腹違いの姉たちのせいだった。
 まあ、話せば長くなるのだが。
 シャルの住んでいる国であるアリオスト王国は、大陸で二番目に大きな大国だ。
 ちなみに一番大きな国は、人間の住む国ではない。
 魔物たちが住む魔王国がこの大陸でもっとも大きな国だ。
 大陸の北にある魔王国と魔王国と国境を接しているアリオスト王国は、長い間、交戦状態だった。
 それが、この度、和睦を結ぶこととなったのだが、その証としてお互いの国の公爵同士の子供たちを婚約させようということになってしまった。
 そこで我がコンティーヌ公爵家に白羽の矢がたったのだった。
 なにしろコンティーヌ公爵家は、子沢山。
 娘だけでも5人。息子は、6人。
 余裕で野球チームが作れてしまう。なんだったらバレーボールのチームもできる。
 まあ、この世界には、野球もバレーボールもないのだが。
 まあ、国王陛下たちは、5人も娘がいれば誰かが嫁に行くだろうと考えたのだろうが、話は、そううまくは進まない。
 上の3人にはすでに夫もしくは婚約者がいたから、候補に上がったのは4女のマリー・ルルと5女のルーシー・レイだったが、二人ともまだ、10歳と9歳で魔族との婚約に怯えてすっかりヒステリーの発作を起こしてしまってお話にならない。
 まあ、仕方がないだろうとは思う。
 ついこの前まで人類の敵とされていた魔物に嫁ぐのだ。
 年端もいかない少女たちにとっては、どんなにか恐ろしいことであったのだろう。
 そういうわけで。
 唐突に、8歳の6男のシャル・アルマの名前が上がったのだった。
 なにしろ、お相手の公爵は、オーガだとか。
 オーガは、男でも孕ませることができるらしい。
 なら、ということなのだろうが、本人にとっては、酷く衝撃的なことだった。
 どのぐらい衝撃的だったかというと前世の人格が目覚めてしまうぐらいには衝撃的だったわけで。
 うん。
 それは、そうだ。
 まず、男なのに嫁に行かなくてはならないわけだし!
 そして、お相手は、魔族の公爵ときた。
 これでショックを受けない方がおかしいし!
 シャルも姉たちのようにヒステリックになって拒否したかったが、不幸なことに末っ子のシャルには押し付けられる弟妹がいなかった。
 そういうわけで。
 シャルは、消えることにしたわけだった。
 どこにって?
 俺という魂の奥底にだよ!
 こうして、俺は、目覚めてすぐに窮地に立たされてしまったのだった。
 
 

 
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