転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ

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1 努力は、俺を裏切らない!

1ー7 贈り物

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 1ー7 贈り物

 「まったく信じられない!」
 ラグナが頭を振る。
 「水魔法でこんなことができるなんて!」
 ラグナの驚きを隠さない顔を見て俺は、満足していた。
 「これなら魔族とも戦えますか?」
 俺の言葉に一瞬、不穏な空気が辺りに漂う。
 「戦えるだろう。だが、もう、魔族は我々の敵ではない」
 ラグナが言うと母上もこくこくと頷いた。
 「しかし、この力は……」
 ラグナがなにやら考え込んでいる。
 興味深かったが俺は、すぐに母上の手で部屋へと追いやられてしまった。
 部屋に戻り座学の教科書を手にソファに腰かける俺にお茶の入ったカップを差し出しながらディナが感極まった様子で告げた。
 「さきほどの魔法、お見事でした、シャル様」
 「ありがとう」
 俺は、紅茶を一口飲んで顔をしかめる。
 ちょっとぬるい。
 紅茶は、熱々でないと美味しくない。
 俺は、立ち上がりお湯が入ったポットを手に取ると中の冷めかけたお湯を再沸騰させてお茶を入れ直した。
 「シャル様?」
 俺にお茶の入ったカップを突きつけられてディナが青ざめる。
 俺は、ふっと笑った。
 「さっき、お茶を入れてくれただろう?お礼に俺もお茶を入れてみたんだ」
 俺の言葉になぜか頬を赤らめるとディナは、礼を言ってカップを受けとる。
 俺は、すたすたとソファに戻ると隣を手でぽんと叩く。
 「座って飲んだ方がうまいぞ」
 「はぁ……」
 ディナは、戸惑っていたがおとなしく俺の隣に腰を下ろした。
 俺たちは、しばらく静かにお茶を味わっていた。
 辺りには紅茶の香りが漂っていた。
 開いた窓から吹き込む風の甘い香りと混じりあってなんだか、ちょっとしたリゾートにいるみたいだ。
 このアリオスト王国の王都であるオルガスタは、冬でもけっこう暖かい。
 まだ、冬と言うには少し早いがもうそろそろ魔王国との国境付近では雪が降っていることだろう。
 そういえば。
 俺は、ふと以前にオーガ公爵からいただいた魔石のことを思い出した。
 あのとき、プレゼントをもらいながらお礼をすることもなかったような。
 さすがにそれは、人としてどうかと思うので後で魔王国にいるオーガ公爵に何か暖かいものでも贈っておこう。
 いきなり婚約破棄されてまた、魔王国との戦争にでもなったら大変だしな!
 俺がそう言うとディナが複雑そうな顔をする。
 「あの……シャル様は、本当によいのですか?」
 「何が?」
 俺が問うとディナが思い詰めた様子で答えた。
 「魔王国のサハード公爵との婚約のことです」
 ああ。
 俺は、今更ながら相手のオーガ公爵の名前を知った。
 いや。
 そういえば父上が前にそんなこと言ってたかな?
 興味のないことは覚えられない性格なのでまったく忘れていた。
 俺がそんなことを思っているとディナが涙ぐむ。
 「やはり!気がすすまないのですね?」
 それは、そうだ。
 俺は、無言で頷いた。
 当然、好んで嫁にいくわけがないし!
 
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