転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ

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2 魔王国からの使者

2ー6 凍る炎

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 2ー6 凍る炎

 「なっ!」
 俺は、目の前で怒っていることが信じられなかった。
 燃えている!
 それも外からじゃない!
 なぜならこの絶対零度領域内では、俺以外の者は、魔法を発動できなくなるのだから。
 これは……
 信じられない!
 この男は、自分の内側から自分自身を燃やしているのだ!
 高熱に目玉が溶けて両目があった場所から血が流れ出ているのを見て観客たちが悲鳴を上げている。
 辺りに肉が焼ける嫌な臭いが漂って俺は、思わず口許を押さえた。
 「勝負は、これからだろう?婚約者殿」
 サハード公爵が不気味に笑う。
 これ、マジで、悪夢で見るやつだし!
 近づいてくるサハード公爵に俺は、後ずさりながらも手を伸ばした。
 「炎よ、凍れ!」
 俺は、あり得ないことだがサハード公爵の体内の炎を凍らせようとした。
 全ての分子は、絶対零度では動きを止める。
 つまり、絶対零度では、炎すらも凍りつくのだ。
 これは、イメージがきもの魔法だからこそできることだ。
 リアルな物理学ではあり得ない。
 「なんだ、と?」
 体から炎を吹き出しながら俺に向かってくるサハード公爵が足を止めて自分の手を見つめる。
 皮膚が裂けて体内の水分が凍ったものが突き出してくる。
 闘技場中から悲鳴が沸き上がり、鳴き声が聞こえてくる。
 いやっ!
 俺もこんなことになるとは思ってなかったし!
 さすがのオーガ公爵も体内から絶対零度の氷に侵されては、動けまい。
 俺が勝利を確信した時、サハード公爵が口から炎を吹いた。
 「がはっ!」
 それは、青い美しい炎で。
 その炎は、竜の姿となって俺を急襲した。
 巨大な竜の裂けた口に飲み込まれて俺は、必死に絶対零度の魔力防御壁を展開して身を守ろうとした。
 が。
 その炎は、なぜか、凍らないし、絶対零度領域であっても侵食を止めない。
 俺は、氷の壁を張り続けた。
 だが、青い炎は止められなくて。
 「やばっ……」
 俺は、めまいがするのを感じた。
 さすがの俺もこれだけの絶対零度領域を同時に展開し続けると魔力が足りなくなる。
 俺は。
 魔力切れで意識が途切れる瞬間に全身を炎に焼かれるのを感じた。

 「はっ!」
 俺は、がばっと体を起こした。
 冷たい汗が流れる。
 俺は、いったい?
 俺は、掛布をはぐと自分の全身を見回す。
 手も足も、他の体の部分も全て白い包帯に包まれている。
 最後の光景を思い出して俺は、嫌な汗を流していた。
 青い炎が俺を焼き尽くす。
 なんで?
 俺は、生きているんだ?
 「気がついた?」
 俺の横たわっていたベッドの側にある椅子に腰かけていた魔族の少年が俺ににっこりと微笑んだ。
 
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