転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ

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7 王子様と俺

7ー4 番

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 7ー4 番

 蟻の魔物に壁際に追い詰められているルリオス王子を見て俺は、やれやれ、と肩をすくめた。
 これでちょっとは、自分のふがいなさを思い知ったかな?
 俺が魔法で魔物を攻撃しようとしたそのとき、ルリオス王子の前に黒い影が立ちふさがった。
 それは、長い黒髪を腰まで伸ばした獣人だった。
 美しい、神が玉から掘り出した彫刻のような肉体をおしげもなくさらしているその男の頭には猫耳がついている。
 長い尻尾をルリオス王子の腰に巻き付けて背後にかばいつつ、その獣人は、蟻の魔物の足を片手で掴んで引きちぎった。
 辺りに魔物の発する甲高い悲鳴のような声が響く。
 「ふん。魔物風情が生意気な」
 その男は、手を前に差し出した。
 「目障りだ。消えろ」
 ごぅっと黒い炎が燃え上がり魔物を一瞬で焼き付くした。
 俺は、その獣人に魔法杖を向けた。
 「お前、何者だ?」
 「我か?」
 黒髪の獣人がにぃっと笑ってルリオス王子を抱き寄せる。
 「我は、ルリオスの番。この者を傷つけるものは、全て、我が倒す!」
 「ルリオス王子の番?」
 魔物を倒してルリオス王子のもとに駆けつけたライナスさんが剣先を獣人に向けるとルリオス王子が手を伸ばして制する。
 「待って!この子は、敵じゃないから!」
 俺たちは、蟻の魔物の群れを狩りつくすとしばらくそこで休憩することにした。
 水の入った水筒に口をつけてぐびっと水を飲みながらディナとライナスさんがちらちらと獣人を見ている。
 獣人は、フィオールに渡されたマントをまとっているだけで相変わらずほぼほぼ裸でルリオス王子を抱き締めている。
 「まさか、あなたがルリオス王子と知り合いだったとは」
 驚きを隠せないフィオールを俺は、じっと見つめていた。
 「フィオール様は、この獣人をご存知なのですか?」
 「ご存知も何も」
 フィオールが俺に応じる。
 「この方は、魔王様の第一子にして次期王ともくされている王太子、ルシエル・エール・ロートレック殿下だ」
 はいぃっ?
 俺は、その獣人を思わず二度見してしまった。
 この猫耳の獣人が王太子殿下?
 「確か、数年前から行方知れずになられているとお聞きしていたが、その王太子殿下がなぜ、ルリオス様の側に?」
 ライナスさんがきくとルシエル王太子殿下が口を開いた。
 「我が番を見つけたからその側を離れたくなかったのだ」
 ぎゅうっとルリオス王子を抱き締めたまま、愛おしげに微笑むルリオス王太子殿下を見てフィオールが深いため息をつく。
 「どれだけ我々がお探ししていたと思っておられるのですか」
 「我は、ずっと王宮にいたのに気付かんお前たちがバカなのだ」
 ルシエル王太子殿下がべっと舌を出す。
 
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