転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ

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7 王子様と俺

7ー5 王子の帰国

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 7ー5 王子の帰国

 「番?」
 ダンジョンから魔王国の王都の王宮に戻った俺たちを魔王様が待ち受けていた。
 魔王様は、久しぶりに王宮に戻ったと言うルシエル王太子殿下を冷ややかに見つめていた。
 「このアリオスト王国の王子が、か?」
 「はい、父上」
 ルシエル王太子殿下が真面目な表情で頷いた。
 「このルリオスは、間違いなく我が番。我は、この者と離れることはできません」
 「なんということだ」
 魔王様が額を押さえてうつむく。
 「よりによってアリオスト王国の王子が番、だと?」
 「この者は、魔王国を気に入りこの地に残ることを望んでいます。このまま我が妃にしたいと思います」
 ルリオス王子を抱き締めて離そうとしないルシエル王太子殿下をじっと見上げてルリオス王子は、ぽぅっと頬を赤らめている。
 「ぼ、僕でいいの?僕なんて、なんにもできないし、ダメダメなのに?」
 「お前は、ダメダメなんかじゃない」
 ルシエル王太子殿下が蕩けそうな眼差しでルリオス王子を見つめて微笑む。
 「お前は、そのままでかけがえのない我が妃なのだからな」
 「僕が、妃……」
 呆然自失の様子のルリオス王子の頭を優しく撫でているルシエル王太子殿下を見て魔王様が舌打ちした。
 「まさか、お前がその王子を妃に選ぶとはな。それなら、最初から王族同士の婚姻にすればよかったな、フィオール」
 「お断りします」
 フィオールが僕をぎゅっと抱き寄せると魔王様に返答した。
 「この婚約を解消するつもりはありませんので」
 むぅっと魔王様が口をつぐむ。
 フィオールが魔王様に提言する。
 「このさい、国と国のより深い絆を結ぶために二組の婚姻を執り行うべきです」
 「しかし、な」
 魔王様がちらっと俺とルリオス王子を見つめる。
 「アリオスト王国がどういうか。公爵の令息だけでなく、王子まで差し出せとは」
 「僕のことなら大丈夫です!」
 ルシエルに抱かれて黙り込んでいたルリオス王子が声をあげた。
 「どうせ、国では、いてもいなくても同じって扱いだったし!僕、ラナ…じゃなくて、ルシエル様の番になりたいです!」
 「ルリオス!」
 ルシエル王太子殿下がすりすりとルリオス王子に頬擦りした。
 「さすが、我が番よ!よく言った!」
 「しかし、このままでは、アリオスト王国も頷くまい。いったん、ルリオス王子を国に戻してからでないと婚約の話もできまい」
 というわけで。
 ルリオス王子は、一度、母国に戻ることになった。
 ルシエル王太子殿下は、旅立つルリオス王子を泣く泣く見送った。
 「必ず戻ってこい!」
 「うん!」
 ルリオス王子は、頬を赤く染めながら頷いた。
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