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6 それぞれの選ぶ未来
6ー3 プーティ新聞社
しおりを挟む『カピパランド』と観光都市 カンパニュラの領主となっているカヅキ兄さんは、最近、新聞会社を始めた。
カヅキ兄さんの始めた『プーティ新聞社』は、情報に飢えていたこの世界の人たちに熱烈歓迎された。
この新聞は、主に『カピパランド』のニュースが載っているのだが、一部に、カンパニュラの街にある劇場の俳優たちの話や、歌姫サリアの記事も載っていて、受けていた。
あと、この新聞には、この世界初の小説が連載されていた。
これは、実は、カヅキ兄さんが書いているものだ。
『悪役令嬢アメリアの午後』は、爆発的に人気が出て、カンパニュラの劇場でも上演されていた。
僕らは、ドライアドを使った通信設備を国中に張り巡らせていっていた。
それを利用して、ラジオ放送を始めたのだが、その中で流されたこの国初の、ラジオドラマは、カヅキ兄さんの書いたこの『悪役令嬢アメリアの午後』だった。
ラジオ放送は、大流行し、どこの食堂や、酒場でも歌姫 サリアの歌やカヅキ兄さん作のドラマやらが流されていた。
兄さんの頑張りのおかげもあって、『カピパランド』は、大人気で、国中の子供たちの憧れの夢の国になっていた。
戦争は、まだ、続いていたが、魔界へとカスケード王国の軍隊が進軍できなくなって以来、休戦状態だった。
実は、カスケード王国と魔界の間に透明だが、すごく強力な障壁が張られたために、どちらからも行き来できなくなってしまったのだ。
僕以外はね。
僕だけは、この障壁を通過できるのだ。
理由は、もちろん、この障壁を張ったのが僕だからだ。
こうしておけば、少なくとも、しばらくは戦争にならないだろ?
魔界とカスケード王国の間の物流は、止められることはなかった。
僕が、ストレージに入れて運んでいたからね。
二国間では、かつてないほど、交流が深まってきていた。
それは、文化や魔法などの技術でもあったが、人と魔族の交流も少しづつではあったが、行われるようになっていた。
すべては、僕のストレージの中で。
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