異世界カフェの雇われ店長になりました~常連の騎士様や幼馴染みの聖者の熱愛に絆されそうです~

トモモト ヨシユキ

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1 異世界でスカウトされました!

1ー3カフェ『黒猫』

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 1ー3 カフェ『黒猫』

 そう。
 実は、僕、成田 碧は、この世界の人間じゃない。
 ほんの数ヵ月前に異世界から聖者である幼馴染みの竹井 総一郎と共に召喚されたただの人だ。
 いわゆる巻き込まれ召喚?
 聖者である総一郎と違って僕は、魔力もほぼほぼなくて、すっかり厄介者扱いされていた。
 毎日、悪くなっていく待遇に僕は、どきどきしながら過ごしていた。
 そんなある日、この世界の食べ物が口に合わなくてすっかりホームシックになってしまった総一郎のために頼まれてもとの世界の食事を作ることになった。
 聖者である総一郎が言ったのだ。
 「碧の作ったメシが食べたい」と。
 そこで僕は、急遽、王城の厨房へと連行されて総一郎のための食事を作ることになった。
 幸いなことに大きさが違ってもだいたいの材料は揃うようだし、僕も役立たずのままでいるのも嫌だったので総一郎のための食事を作ることにした。
 僕が食事を作るようになって総一郎の魔力が安定してきた。
 そうして、僕から異世界の食事の作り方を教えられた料理長たちによって僕は、厨房から追い出された。
 また、部屋に押し込まれて監禁される毎日が続くのか、とうんざりしていたらこの国の王太子殿下に呼び出された。
 僕が押し込まれていた地下の部屋からは想像もできないぐらい明るくて豪華な王太子の部屋にうかがうとこの世界に来たときにあったことがある金髪の王子様がいた。
 緩いウェーブのかかった金色の髪を肩まで伸ばした王太子殿下は、白磁の肌をした人形のように美しい人だ。
 人間離れしている美貌に僕が見惚れていると王太子殿下は、僕に思いがけない話を持ちかけた。
 「私の個人的な趣味で商っている店があるのだけれど、そこの店長をやってみる気はない?」
 なんでも下町にある小さなカフェで店の名前は、『黒猫』とかいうのだという。
 「なんで僕に?」
 僕がいぶかしんでいると王太子殿下は、口許を緩めた。
 「君だってなんらかの役に立たなくてはこの世界で生きていけないだろう?」
 この世界への召喚は、一方通行だ。
 呼び出すことはできてももとの世界に戻すことはできない。
 つまり、聖者でもない魔力もない僕もこの世界でなんとか生きていかなくてはいけないのだ。
 「でも、僕、カフェなんて働いたこともないんですが」
 「大丈夫」
 王太子殿下がにっこりと微笑んだ。
 「ちゃんとしたオーナーは、別にいて君は、店番だけしてくれたらいいんだからね」
 そういうわけで。
 僕は、王宮から去ることにした。
 王太子殿下の手配してくれた人たちが僕を王都の下町にあるその店まで連れていってくれた。
 そこは、こじんまりした小さな店で。
 一階がカフェになっていて、二階が仕立て屋さん。三階が居住区になっているようだ。
 僕は、着の身着のままで王宮を出てきたので着替えを持っていなかったけど、居住区の僕に与えられた部屋には、先住者の置いていった服があった。
 幸いにも僕のサイズと同じぐらいのサイズの服だったので僕は、それをそのまま使わせてもらうことにした。
 
 
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