塔の上のオメガは、アルファに熱愛される~逃れたいんだが番がそれを許さない~

トモモト ヨシユキ

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3 偽りの王子と塔の中のオメガ

3ー2 剣と胸の高鳴り

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 3ー2 剣と胸の高鳴り

 それから夏が過ぎ、秋がくる頃まで俺たちが暮らす塔には、平和な時が続いた。
 あんなことがあったけどルシー君は、相変わらずだったし、俺だけが恥ずかしがってるのも腹立たしいし、俺も平静を装って毎日過ごしていわけ。
 でも、内心は、ドキドキしてたし!
 あの夜以来、なんだか体がすごく敏感になってて、沐浴のときにちょっとルシー君に触れられるだけでおかしな声が出そうになってしまう。
 1人で沐浴しようとしても、ルシー君が許さないし!
 しょせんは、こっちは、監禁されてる身だし、そうそう強くは逆らえないし!
 あれから少し変化したことといえば、週1回、ルシー君が俺と添い寝するようになったことだけだった。
 ルシー君いわく、これは、俺の健康を維持するために必要なんだとか。
 添い寝してくれる時は、なんだかすぐに眠くなってしまって。
 朝起きると、もう、ルシー君の姿はないし。
 ただ、添い寝してもらった後は、なんだか体が軽くて、気分もいい。
 きっと、魔法かなんかで俺のこと癒してくれてるんだろう。
 ルシー君は、添い寝の朝は、特別にお湯を用意してくれて体をいつもより丁寧に洗ってくれる。
 ちょっと恥ずかしい気もするが、気持ちいいし。
 まあ、あんまり気にしないことにしている。
 秋とともにそんな毎日に変化が訪れた。
 それは、思いもしなかったようなことで。
 俺は、ほんとに恐怖を感じてしまった。
 というのも、ある日、朝目覚めていつものように窓から外を眺めたらなんと、森が消えていた!
 どういうこと?
 昨日まで森が塔の回りに広がっていた筈なのに?
 代わりに塔の回りには、数百、数千の鎧に身を固めた兵士が群がっていた。
 いや!
 これ、軍隊ですよね?
 俺は、震える声でルシー君を呼んだ。
 「る、ルシー君?これ、何?」
 「心配しないでください、ミリナルダ様」
 ルシー君がルシー君の身長ほどもある巨大な剣を手にいつもと変わらぬ様子で答える。
 「じきに追い返しますから」
 「追い返す?」
 俺が困惑しているとルシー君が、俺の側に歩みより、そっと俺の頬にキスをした。
 「ほぇっ!?」
 とっさのことに俺は、びくっと体を跳ねさせる。
 「き、きす、キス?」
 「愛しています、ミリナルダ様」
 ルシー君が俺の頬にかかった髪をそっと耳にかけてくれる。
 優しい仕草にそぐわぬ剣に俺は、不安に胸が高鳴った。
 
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