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4 狂王の番
4ー2 愛のために
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4ー2 愛のために
冷たい水に浸されるのを感じて俺は、目を開いた。
口の端から水が流れ落ちる。
「ん、ぐっ!」
俺は、咳き込んだ。
俺を抱き抱えていたオーリが俺の背をさする。
「大丈夫、か?ミリナルダ」
俺は、しばらく咳き込んでから濡れている口許を手の甲で拭ってオーリのことを睨み付け掠れた声を出す。
「大丈夫なわけ、ないだろ……!」
なんとかオーリの腕から逃れようとする俺を見てふっと口許を緩ませてオーリは、俺の頬にちゅっとキスをする。
「さすがは、私の妃だな」
俺は、オーリの胸元を両手で押し退けながら辺りを見回す。
そこは、塔の中の俺の部屋だった。
俺は。
ぼんやりとしている頭をぶんぶんと振る。
あれからどうなった?
狂ったみたいに俺は、オーリに抱かれて。
時間も、何も関係ない。
ただ、獣みたいにお互いを求めあって。
そして。
俺は、手で項に触れた。
そこは、つきん、と痛んで。
噛まれたんだ!
俺は、衝撃に打ちのめされた。
俺は、もう、この男から逃れられない。
「ぅっ……くっ……」
俺がうつむいて涙を流しているのを見てオーリは、俺を抱き寄せる。
「ああ、泣かないでくれ、ミリナルダ。かなり本気で噛んだから痛むかもしれないが、すぐに傷は癒える」
優しく俺の背をさするオーリは、あのときの獣とは異なっていて。
俺の涙は、止まらない。
嗚咽する俺をあやすように抱いて揺らしながらオーリは、囁いた。
「大丈夫、もう、心配しなくてもいいんだ。私がついている。もう、お前は、私のたった1人の妃となったのだから」
妃?
俺は、涙に濡れた目でオーリを見上げる。
俺は、この男と塔を出ていくのか?
ルシー君は?
俺は、はっとしてオーリに訊ねた。
「ルシー、ルシー君は?」
オーリの赤い瞳が鈍く輝く。
「あれは、死んだ」
冷たく凍える声に俺は、ぶるっと体が震えた。
「し、んだ?」
俺は、信じられなくて。
「ほんと、に?本当に、死んじゃったの?」
「本当だ」
オーリが固く冷えた声で答えた。
「私が殺した。この手で、な」
俺は、オーリが差しのべた手をまじまじと見つめて息を飲んだ。
ルシー君、が死んだ?
ルシー君が?
俺は。
最後に見たルシー君は、残された片目で俺を見つめて。
そして。
ルシー君の唇が微かに動いたのを俺は、見たんだ。
『あいしている』
俺は、口許を押さえる。
嗚咽が漏れないように。
俺がルシー君のために泣くのは、これが最後だろう。
愛のために泣くのは。
冷たい水に浸されるのを感じて俺は、目を開いた。
口の端から水が流れ落ちる。
「ん、ぐっ!」
俺は、咳き込んだ。
俺を抱き抱えていたオーリが俺の背をさする。
「大丈夫、か?ミリナルダ」
俺は、しばらく咳き込んでから濡れている口許を手の甲で拭ってオーリのことを睨み付け掠れた声を出す。
「大丈夫なわけ、ないだろ……!」
なんとかオーリの腕から逃れようとする俺を見てふっと口許を緩ませてオーリは、俺の頬にちゅっとキスをする。
「さすがは、私の妃だな」
俺は、オーリの胸元を両手で押し退けながら辺りを見回す。
そこは、塔の中の俺の部屋だった。
俺は。
ぼんやりとしている頭をぶんぶんと振る。
あれからどうなった?
狂ったみたいに俺は、オーリに抱かれて。
時間も、何も関係ない。
ただ、獣みたいにお互いを求めあって。
そして。
俺は、手で項に触れた。
そこは、つきん、と痛んで。
噛まれたんだ!
俺は、衝撃に打ちのめされた。
俺は、もう、この男から逃れられない。
「ぅっ……くっ……」
俺がうつむいて涙を流しているのを見てオーリは、俺を抱き寄せる。
「ああ、泣かないでくれ、ミリナルダ。かなり本気で噛んだから痛むかもしれないが、すぐに傷は癒える」
優しく俺の背をさするオーリは、あのときの獣とは異なっていて。
俺の涙は、止まらない。
嗚咽する俺をあやすように抱いて揺らしながらオーリは、囁いた。
「大丈夫、もう、心配しなくてもいいんだ。私がついている。もう、お前は、私のたった1人の妃となったのだから」
妃?
俺は、涙に濡れた目でオーリを見上げる。
俺は、この男と塔を出ていくのか?
ルシー君は?
俺は、はっとしてオーリに訊ねた。
「ルシー、ルシー君は?」
オーリの赤い瞳が鈍く輝く。
「あれは、死んだ」
冷たく凍える声に俺は、ぶるっと体が震えた。
「し、んだ?」
俺は、信じられなくて。
「ほんと、に?本当に、死んじゃったの?」
「本当だ」
オーリが固く冷えた声で答えた。
「私が殺した。この手で、な」
俺は、オーリが差しのべた手をまじまじと見つめて息を飲んだ。
ルシー君、が死んだ?
ルシー君が?
俺は。
最後に見たルシー君は、残された片目で俺を見つめて。
そして。
ルシー君の唇が微かに動いたのを俺は、見たんだ。
『あいしている』
俺は、口許を押さえる。
嗚咽が漏れないように。
俺がルシー君のために泣くのは、これが最後だろう。
愛のために泣くのは。
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