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6 覇王の寵妃
6ー10 世界の要
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6ー10 世界の要
要?
俺が世界の要ですと?
俺がほけっとしていると老人がため息をつく。
「だから我々が本来、一番最初にあなた様を探しだして保護するべきだったのです。それがギィード王国の王に先を越されてしまいあの『不可視の塔』に閉じ込められてしまって手が出せなくなっていたのです。本来なら神殿で保護して奥深くにお守りして御子としての教育をしなくてはならなかったのですが」
うん?
なんかさらっと不穏なことをいわれたような気がするんですけど?
俺は、老人に訊ねた。
「御子とは何なのですか?」
「この世界には、柱がいくつかございまして。御子とは、人界にある柱でございます。つまり、世界を支えるもののことでございます」
はいっ?
俺が世界を支える柱?
「しかし、俺は、特には何もしておりませんが」
俺が首を傾げるのを見て老人がかぁっと目を見開いたので俺は、思わずびくっと体を固まらせる。
老人がふっと表情を和らげる。
「驚かして申し訳ないですな、御子よ。ですが、あまりにもあなたの仕草があざと……いや、いとけないものですから」
いとけない?
俺は、ますます首を傾げてしまう。
老人は、軽く咳払いをすると俺に話し始めた。
「要するにあなた様は、女神より格別な寵愛を賜っているということでございます。別に何をしているということもなくてもあなた様がそこにいてくださるだけで充分なのです」
俺は、こくっと頷く。
「なんとなく理解できました。ご説明をありがとうございます」
いや!
まったく理解できないんだが!
というか、俺って女神の寵愛を受けてるんですか?
納得がいかない様子の俺をさっして老人が破顔する。
「そんなに深く考えなくともよいのです。ただ、あなた様が幸福に過ごされているならそれでよいのです、それ以上の何もございませんから」
俺と神官長は、午後の時間をゆっくりとお茶を飲みながらよもやま話をした。
老人は、夕方になると名残惜しげにおともの屈強な若者に抱き上げられて去っていった。
まるで子供だな。
俺は、後宮の門まで老人を見送った。
老人は、俺にぺこりと頭を下げる。
「これだけは忘れんでください。我々神殿は、あなた様の味方です。あなた様は、あの狂暴な王の唯一の手綱ですからな」
門が閉じられる。
俺は、ほぅっと吐息を漏らす。
神殿か。
俺は、自室に戻るとソファに腰を下ろして自分の婚姻式の衣装に刺繍を施しながら考えていた。
オーリを牽制しているんだろうが、俺には、そんなに怖い存在のようには思えなかった。
ともかく俺は、オーリに手紙を書くことにする。
内容は、婚姻式でのお披露目は、取り止めにして欲しいというものだった。
要?
俺が世界の要ですと?
俺がほけっとしていると老人がため息をつく。
「だから我々が本来、一番最初にあなた様を探しだして保護するべきだったのです。それがギィード王国の王に先を越されてしまいあの『不可視の塔』に閉じ込められてしまって手が出せなくなっていたのです。本来なら神殿で保護して奥深くにお守りして御子としての教育をしなくてはならなかったのですが」
うん?
なんかさらっと不穏なことをいわれたような気がするんですけど?
俺は、老人に訊ねた。
「御子とは何なのですか?」
「この世界には、柱がいくつかございまして。御子とは、人界にある柱でございます。つまり、世界を支えるもののことでございます」
はいっ?
俺が世界を支える柱?
「しかし、俺は、特には何もしておりませんが」
俺が首を傾げるのを見て老人がかぁっと目を見開いたので俺は、思わずびくっと体を固まらせる。
老人がふっと表情を和らげる。
「驚かして申し訳ないですな、御子よ。ですが、あまりにもあなたの仕草があざと……いや、いとけないものですから」
いとけない?
俺は、ますます首を傾げてしまう。
老人は、軽く咳払いをすると俺に話し始めた。
「要するにあなた様は、女神より格別な寵愛を賜っているということでございます。別に何をしているということもなくてもあなた様がそこにいてくださるだけで充分なのです」
俺は、こくっと頷く。
「なんとなく理解できました。ご説明をありがとうございます」
いや!
まったく理解できないんだが!
というか、俺って女神の寵愛を受けてるんですか?
納得がいかない様子の俺をさっして老人が破顔する。
「そんなに深く考えなくともよいのです。ただ、あなた様が幸福に過ごされているならそれでよいのです、それ以上の何もございませんから」
俺と神官長は、午後の時間をゆっくりとお茶を飲みながらよもやま話をした。
老人は、夕方になると名残惜しげにおともの屈強な若者に抱き上げられて去っていった。
まるで子供だな。
俺は、後宮の門まで老人を見送った。
老人は、俺にぺこりと頭を下げる。
「これだけは忘れんでください。我々神殿は、あなた様の味方です。あなた様は、あの狂暴な王の唯一の手綱ですからな」
門が閉じられる。
俺は、ほぅっと吐息を漏らす。
神殿か。
俺は、自室に戻るとソファに腰を下ろして自分の婚姻式の衣装に刺繍を施しながら考えていた。
オーリを牽制しているんだろうが、俺には、そんなに怖い存在のようには思えなかった。
ともかく俺は、オーリに手紙を書くことにする。
内容は、婚姻式でのお披露目は、取り止めにして欲しいというものだった。
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