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7 禁忌の子
7ー1 今宵、おまえを孕ませる!
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7ー1 今宵、お前を孕ませる!
王都の春は、ルゥラの花が連れてくる、とじいちゃんが俺に言った。
「ルゥラの花の下、あなた様は、王の妃となられるでしょう」
そのじいちゃんの言葉通りに前世で見た桜によく似た薄紅色の小さな花が咲き乱れる頃、俺とオーリの婚姻式は執り行われた。
俺は、頭から薄いベールをかぶり姿を隠して式に望んだ。
オーリは、不満げだったが神殿の意向も無視できなくてなんとか納得してくれた。
俺は、自分で縫い上げた純白の衣装に身を包んでオーリの隣に立つ。
まあ、姿はほぼほぼベールの下に隠れているんだが。
じいちゃんとオーガ君たちがベールをルゥラの花で美しく飾ってくれていたのでなんとか幽霊みたいにはならなかったし。
でも、神殿で女神の前で婚姻の誓いをする際には、オーリにベールを奪い取られた。
「こんなもの!」
オーリは、ベールを取り去り現れた俺の驚いた表情を見て満足げに微笑んだ。
「女神により祝福されしクリュセイド王国が王オーリ・ラムダ・クリュセイドは、生涯をかけて女神が与えし御子ミリナルダを愛することを誓う!」
緋色のマントを羽織、黒い礼服に身を包んだオーリは、神々しいほどに美しくて。
俺は、一瞬見とれてしまう。
神官長が咳払いをして、俺は、はっと気づいて口を開く。
オーリの言葉に応えなくては!
「あ……俺、その、ミリナルダは、女神の御前にてクリュセイド王国の王オーリ・ラムダ・クリュセイドに生涯の愛を誓います」
俺が震える声で誓うとオーリが俺を抱き寄せて唇を奪う。
獣のようなキスに俺は、翻弄されて頭が真っ白になってしまった。
しん、と静まり返った神殿に俺の喘ぎとくちゅくちゅっという水音が響く。
俺は、なんとかオーリを止めたかったが、こうなるとオーリは、もう止まらない!
「ん、ふっ……ま……」
俺が発しようとする言葉ごと俺の息を飲み込みオーリは、唇を食む。
ようやくオーリが俺の唇を離した時には、俺は、もう、ふらふらになってしまって。
よろける俺をオーリが抱き上げ神殿を後にする。
「待ってっ!ベールが!」
神官たちがベールを手に追ってくるがオーリは、立ち止まろうとはしなかった。
神殿の正面の扉から外に出ると人々の歓声に飲み込まれる。
オーリは、余裕のない顔をして俺を抱いたまま神殿の前に待っていた黒塗りの王家の馬車へと乗り込む。
すぐに馬車は動きだした。
オーリは、俺を膝の上に抱き上げて俺の項に顔を埋める。
オーリの呼吸にくすぐられて俺は、体を震わせた。
「今宵、お前を孕ませる!」
オーリのくぐもった声に俺は、びくん、と背をそらした。
体が。
熱い。
王都の春は、ルゥラの花が連れてくる、とじいちゃんが俺に言った。
「ルゥラの花の下、あなた様は、王の妃となられるでしょう」
そのじいちゃんの言葉通りに前世で見た桜によく似た薄紅色の小さな花が咲き乱れる頃、俺とオーリの婚姻式は執り行われた。
俺は、頭から薄いベールをかぶり姿を隠して式に望んだ。
オーリは、不満げだったが神殿の意向も無視できなくてなんとか納得してくれた。
俺は、自分で縫い上げた純白の衣装に身を包んでオーリの隣に立つ。
まあ、姿はほぼほぼベールの下に隠れているんだが。
じいちゃんとオーガ君たちがベールをルゥラの花で美しく飾ってくれていたのでなんとか幽霊みたいにはならなかったし。
でも、神殿で女神の前で婚姻の誓いをする際には、オーリにベールを奪い取られた。
「こんなもの!」
オーリは、ベールを取り去り現れた俺の驚いた表情を見て満足げに微笑んだ。
「女神により祝福されしクリュセイド王国が王オーリ・ラムダ・クリュセイドは、生涯をかけて女神が与えし御子ミリナルダを愛することを誓う!」
緋色のマントを羽織、黒い礼服に身を包んだオーリは、神々しいほどに美しくて。
俺は、一瞬見とれてしまう。
神官長が咳払いをして、俺は、はっと気づいて口を開く。
オーリの言葉に応えなくては!
「あ……俺、その、ミリナルダは、女神の御前にてクリュセイド王国の王オーリ・ラムダ・クリュセイドに生涯の愛を誓います」
俺が震える声で誓うとオーリが俺を抱き寄せて唇を奪う。
獣のようなキスに俺は、翻弄されて頭が真っ白になってしまった。
しん、と静まり返った神殿に俺の喘ぎとくちゅくちゅっという水音が響く。
俺は、なんとかオーリを止めたかったが、こうなるとオーリは、もう止まらない!
「ん、ふっ……ま……」
俺が発しようとする言葉ごと俺の息を飲み込みオーリは、唇を食む。
ようやくオーリが俺の唇を離した時には、俺は、もう、ふらふらになってしまって。
よろける俺をオーリが抱き上げ神殿を後にする。
「待ってっ!ベールが!」
神官たちがベールを手に追ってくるがオーリは、立ち止まろうとはしなかった。
神殿の正面の扉から外に出ると人々の歓声に飲み込まれる。
オーリは、余裕のない顔をして俺を抱いたまま神殿の前に待っていた黒塗りの王家の馬車へと乗り込む。
すぐに馬車は動きだした。
オーリは、俺を膝の上に抱き上げて俺の項に顔を埋める。
オーリの呼吸にくすぐられて俺は、体を震わせた。
「今宵、お前を孕ませる!」
オーリのくぐもった声に俺は、びくん、と背をそらした。
体が。
熱い。
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