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2 魔法学園の花ですか?

2ー6 特別クラス

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 2ー6 特別クラス

 翌日からは、魔法学園の授業が始まった。
 事前に行われた試験によって1学年に3つのクラスにわけられ授業が行われる。
 俺は、特別クラスに入ることになった。
 特別クラスとは、身分、学力、魔力、そして剣技、すべてにおいて優秀な生徒たちが選ばれたクラスだ。
 後の2クラスは、普通クラスと少し問題のある生徒たちが集められた問題児クラスだった。
 それぞれのクラスは、棟がわかれているのでほぼ交流はなかった。
 俺とロタは、特別クラスへと向かった。
 ロタは、少し緊張しているようだ。
 本来、ロタは、普通クラスに入る筈だったが、俺の従僕であることを考慮され特別に俺と同じクラスに入ることになった。
 俺とロタが教室に入っていくと誰かが口笛を吹いた。
 「おいおい、ここは、花婿学校じゃないぞ」
 窓際に陣取った燃えるような赤毛の女がニヤニヤ笑いながら俺をじろじろと見ていた。
 ロタがすっと俺をかばうように前に立つ。
 「お坊ちゃまは、さっさと花嫁学校に戻った方が身のためだぞ」
 「いくら宰相閣下のご息女であってもそのような無礼な態度はいただけませんね」
 ロタが表情だけは、にこやかに言うとその女は、立ち上がって俺たちの方へと歩みよってきた。
 「2度と生意気な口がきけないように教育してやろうか?」
 宰相の娘は、ロタより頭1つぶんぐらい背が高く、さすがに体もがっしりしていた。
 何よりその胸部の装甲がすごい。
 制服のネクタイを緩め開かれた胸元からバインと溢れそうに存在を主張している。
 ロタだってそこそこ胸はでかいが、この女ほどではない。
 俺は、女の胸元からなんとか視線をそらす。
 その俺の様子を見て宰相の娘は、ニヤリと笑う。
 「噂とは違い、なんとも可愛らしいな、エルガーナ辺境伯の令息は」
 女が俺の方へと手を伸ばしてくるのをロタが振り払う。
 「気安くこの方に触れるな!」
 「下賎の者は、下がれ」
 ロタと宰相の娘は、睨みあった。
 一触即発の状況を変えたのは、思いがけない人物だった。
 「ルイーズ、やめておけ」
 声を発したのは、教室の後ろの方に腰かけた黒髪の女だった。
 
 
 
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