死に戻り悪役令息は、魔法騎士になって無双する～男女逆転世界に転生した俺は、なぜか、王女殿下たちから溺愛されてます～

2 魔法学園の花ですか？

2ー5 ロタ

　２ー５　ロタ

　ロタは、黙って俺を風呂に入れた後、両腕の傷に軟膏を塗ってくれた。
　かいがいしいロタの姿に俺は、心が暖かくなるのを感じていた。
　ロタは、一度目の人生では、俺をかばって殺された。
　だから、本当は、俺は、ロタを側に置きたくはなかった。
　俺の側にいればロタは、また、死ぬことになるかもしれない。
　そして、ロタの死は、覆らない。
　俺のスキル『リ・ボーン』で生き返ることができるのは、俺だけだ。
　もし、ロタが死ねば、何度俺が死んで甦ろうとも、もう、ロタは、甦らない。
　それがわかったのは、このスキルが初めて発動した時のことだった。
　あのとき。
　俺は、魔物との戦いで３回死に３回甦った。
　だが、そのとき、魔物と戦い死んだ者たちは、誰も生き返りはしなかった。
　それがわかってから、俺は、ロタを俺から離そうとした。
　だが。
　どんなに俺が拒もうともロタは、俺を見捨てなかった。
　 もしも、身分さえ関係なければ、俺は、間違いなくロタを妻に選ぶだろう。
　しかし。
　ロタの母親は、騎士家の中でも一番身分が低い、というかほとんど平民と同じといってもいいぐらいに身分が低かった。
　そんなことどうでもいい。
　そう、俺は、思っているが、ロタが納得しないだろう。
　１人の女が何人もの男をはべらすこの世界では、男には、ほとんど選ぶ権利などない。
　男は、親の選んだ女のもとに嫁ぐのが幸せとされている。
　もしも、俺が選べたなら、俺は、ロタを妻にする。
　しかし、貴族としてそれは、許されないことだ。
　貴族の結婚は、家のためのものというのが普通だし、俺もそれが当然だと思っている。
　だから、最初の人生で俺は、会ったこともない王女殿下の婚約者としてできる限りの努力をした。
　それでも、王女殿下が俺に会いに来ることは一度もなかった。
　それどころか、王女殿下は、俺を捨てて宰相のつれてきた聖者に入れあげて。
　俺は、無実の罪をきせられて投獄された。
　あのとき。
　何人もの女たちが俺を凌辱するために牢を訪れた。
　だが、もと婚約者であったあの女だけは、俺のもとを訪れることはなかった。