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10 ダンジョンで無双ですか?

10ー6 完勝!

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 10ー6 完勝!

 「いいか、お前たち!」
 俺は、紅白戦の前に落ちこぼれクラスの全員を集めた。
 「この魔道具は、お前たちの力を補うものだ。ここでしっかりと女王陛下たちにお前たちに何ができるのかをみせておけば将来の就職活動にきっと有利に働くぞ!」
 それでも信じられないのかぶつくさいっている連中に俺は、言った。 
 「いつもお前たちを見下している特別クラスの連中に一矢報いるチャンスなんだぞ?」
 落ちこぼれクラスの連中のざわめきが静まった。
 俺は、ここぞとばかりに告げた。
 「あいつらに泡を吹かせるチャンスを逃す気か?」
 「ほんとに、あいつらに勝てるのか?」
 落ちこぼれクラスのリーダー格の生徒が俺にきいたので、俺は、力強く頷いた。
 最初、俺は、紅白戦を落ちこぼれクラスのみでやろうと思っていた。
 だが、ロタのアイディアで特別クラス対落ちこぼれクラスで行うことに変更した。
 こうして魔法学園始まって以来、初の特別クラスと落ちこぼれクラスの対抗戦が開始された。
 俺は、作戦とかは、おおまかに落ちこぼれクラスの連中に伝えたが、それだけでさっさと観客席へと移動した。
 審判を勤めることになったミラン先生の合図で模擬戦は、始まった。
 「こんなの勝負にならないって」
 特別クラスの大将であるところの3年生の生徒が高笑いした。
 「なんならあたし一人で十分だし!」
 その大将の言葉に他の特別クラスの連中が笑いながら後方へと下がっていった。
 いちおう、ルールでは、大将を押さえた方の勝ちとなっている。
 いや。
 特別クラス、やる気ないな。
 それとは反対に落ちこぼれクラスの連中は、やる気になっていた。
 大将である2年生の生徒を後方に回して守りと攻撃にわかれて展開した。
 ディフェンスの生徒たちが大将の回りに障壁をはる。
 それに特別クラスの大将が突っ込んできた。
 「無駄無駄無駄!お前らのちょろい防壁魔法なんかであたしを止められるわけがないだろうが!」
 まっすぐ突っ込んでくる敵の大将をディフェンスたちが超びびりながらもなんとか押し返そうと人工魔道回路を持ったまま両手を前に伸ばす。
 と。
 がつん、とやばい音がきこえて突っ込んできた敵の大将が落ちた。
 当然だ。
 この防壁魔法は、俺の組んだ術式だ。
 蟻一匹も通さないほどの強固な障壁だ。
 その障壁に顔から突っ込んだんだからな。
 俺は、知らないぞ!
 その時点ですでに勝負は決まっていた。
 敵に自軍の大将が囲まれるのを見て慌てて飛び出してくる特別クラスの生徒たち。
 だが、もう、間に合うわけもなく。
 しかし、ここからが見物だった。
 落ちこぼれクラスの連中は、敵の大将に手を出すことなく攻め込んでくる敵を個別撃破し始めた。
 結局、紅白戦は、落ちこぼれクラスの完勝に終わった。
 落ちこばれクラスの連中には、女王陛下より褒美が与えられることになった。
 
 
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