正しい子供の作り方

トモモト ヨシユキ

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7 転生者は、信じたい。

7ー1 フェリオス様

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 7ー1 フェリオス様

 フェリオス様が病に倒れたことをティーナ様から知らされたのは、僕とロイドが結婚してから数年後のことだった。
 わざわざライナー辺境伯領まで出向いてまでティーナ様が知らせてくれたのは、最後に僕にフェリオス様にあってやって欲しいというティーナ様の気持ちがあったからだ。
 僕は、会いに行くことを迷っていた。
 僕には、ロイドという夫がいて、二人の子供もいる。
 いまさらフェリオス様に僕が会ってもどうすることもできないし。
 それでも。
 僕は、ロイドに頼んでフェリオス様のもとに行かせてもらうことにした。
 それは、僕の教え子であるフェリオス様のため。
 そして。
 フェリオス様にライトを会わせてあげたかったから。
 僕は、ライトとその弟であるラキスを連れてフェリオス様がいる王都へと向かった。
 フェリオス様は、今でも一人で僕と暮らしたあの屋敷に住んでいるのだという。
 僕が去ってから。
 フェリオス様は、何人もの恋人たちと浮き名を流した。
 恋多き天才画家。
 それが世間の認めるフェリオス様そ姿だった。
 ロイドが神殿に申し立てたため、フェリオス様が僕に近づくことは禁止された。
 だから。
 僕は、あれ以来、フェリオス様に会ってはいなかった。
 王都のライナー辺境伯の屋敷に到着するとすぐに僕は、馬車で下町にあるフェリオス様の屋敷へと向かった。
 「母上、どこに向かっているのですか?」
 馬車の中でライトが僕に訊ねた。
 この子は、幼い頃のフェリオス様に似て敏い子だ。
 僕は、ぎゅっとライトを抱き締めた。
 「遠縁の叔父さんのところにお見舞いに行くんだよ」
 ライトは、どうやら納得してくれたようだった。
 ライトより幼いラキスは、無邪気に馬車の窓から見える王都の景色にはしゃいでいた。
 フェリオス様の屋敷に着くと馬車を屋敷の前に停めて、僕たちは屋敷の扉を叩いた。
 静かに音がして扉が開いて現れたのは、メイサだった。
 「メイサ?」
 メイサが黙ったまま頷いて僕たちを屋敷に招き入れた。
 屋敷の中は、絵の具と油の匂い。
 それにどんよりとした病の匂いがして。
 メイサは、僕たちをあの部屋に案内した。
 それは、僕が閉じ込められていた部屋だった。
 「母上?」
 ライトが扉の前に立ったまま動こうとしない僕を案じるように声をかけた。
 僕は、頭を振ると扉に手を伸ばした。
 もう、あの頃の僕とは違う。
 部屋を開けると、そこは、あの頃のままで。
 僕の恥ずかしい姿の絵が飾られている小さな部屋のベッドにフェリオス様は、一人横たわっていた。
 「誰だ?」
 フェリオス様が問いかけた。
 
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