正しい子供の作り方

トモモト ヨシユキ

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7 転生者は、信じたい。

7ー3 永遠

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 7ー3 永遠

 フェリオス様の葬儀の後。
 僕は、フェリオス様の芸術家仲間たちに囲まれていた。
 「もしかしてあなたが、あの謎のモデル?」
 絵描きには見えない伊達な衣装を身に付けた若い男が僕を見つめていた。
 それは、憧れを見つめるような眼差しだった。
 フェリオス様は、僕と離れてからは、どんなに乞われても肖像画は描かなかったのだという。
 ただ。
 一人のモデルの肖像だけを描き続けていた。
 それは。
 見事なストロベリーブロンドのこの世のものとは思えないほど美しい男の絵だった。
 どんなにか愛しているのだろう。
 フェリオス様は、彼の絵を描くときは一筆もおろそかにはしなかった。
 絵の隅々まで彼の愛が満ちていた。
 「フェリオスは、彼のモデルをよっぽど愛しているんだと私たちにも理解できるほどに」
 僕は。
 静かに涙を流した。
 愛している
 フェリオス様の声が聞こえたような気がした。
 僕は、フェリオス様が最後を過ごしたあの部屋に一人立っていた。
 壁のいたるところに僕の絵が飾られている。
 それは、恥ずかしい絵もあれば、僕から見ても美しいと思えるものまでいろいろあった。
 どの絵も僕で。
 ここには僕のすべてがあった。
 「フェリオス様」
 僕は、自分の体をぎゅっと抱き締めていた。
 かつて愛された。
 深く、深く。
 あなたは、僕を愛してくれた。
 「僕も・・・」
 涙を流す僕の側にロイドがいつしか立っていた。
 ロイドは。
 何も言わずに僕を強く抱いて。
 僕たちは、まるで迷子の子供たちのようにお互いを抱き締めていた。
 
 フェリオス様の死後も彼が描いた絵は人々に愛された。
 いつしか彼が描いた謎のモデルは、『永遠の恋人』と呼ばれるようになった。
 ライトは。
 長じて画家になる道を選んだ。
 ライナー辺境伯家を出たライトは、かつてフェリオス様が住んだあの屋敷を受け継いだ。
 僕たちは、ライトに彼の本当の父親がフェリオス様だということを伝えることはなかった。
 けれど。
 フェリオス様に似て賢かったライトは、きっとそれを知っていたのだろう。
 そう。
 僕は、信じている。
 
 
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