魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ

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11 『観測者』

11ー9 それが必要!

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 11ー9 それが必要!

 「確かに、『ラミーア・ダンジョン』のコアが認める主人であるエドワード様と『ラミーア・ダンジョン』の力を解き放つ『鍵』である王族であるアンドレア様が結ばれれば理想的なのでは?」
 ルシリアさんがそんなことを言い出す。
 アンドレア様が俺に向き合った。
 「私は、それでいいと思いますわ。エドワード様は、どうなのでしょうか?」
 俺?
 俺は。
 顔が熱い!
 胸がドキドキして苦しい!
 「俺、まだ15才だし」
 「もう、大人ですわ!」
 「でも、アンドレア様とは身分が違うし」
 「私は、ここに共に来た時点で王族である地位を捨てておりますわ!」
 俺は、アンドレア様をまじまじと見つめる。
 「でも、俺、アンドレア様より年下だし…」
 俺がまだ煮えきらないことを言っているとアンドレア様が俺の手を取る。
 「年下とは思えないぐらいあなたは、頼りがいがある方ですわ」
 アンドレア様が潤んだ瞳で俺を見た。
 「どうか、私の夫となってくださいませんか?エドワード様」
 俺は。
 頷いた。
 そうして俺たちは、結婚を前提とした婚約者同士となったのだった。
 「でも、エドワード様には、婚約者がおられたのでは?」
 ルシリアさんがぼそっときいた。
 俺は、ぎくっとしていた。
 俺とエリュメは、王立モスキュラード学園を卒業したあかつきには無事に婚約破棄する予定ではあるが、それでもしがらみというものはある。
 どうしたものか。
 もう、いっそ、ルカがいったようにこの狭間の地にこもって暮らすかな?
 俺は、そう考えて頭を振った。
 いやっ!
 ダメだ!
 俺は、アンドレア様にもルカたちにも自由にいて欲しいし、もちろん、エリュメにだって!
 みんなに幸せでいて欲しい。
 やりたいことをして、人生を楽しんで欲しい。
 それには、決してこんなところに閉じ込めていていいわけがないのだ!
 俺は、ぎゅっとアンドレア様の手を握りしめる。
 「王妃様に会いに行こう!」
 アンドレア様の表情が緊張するのがわかる。
 でも、俺は、考えを変えなかった。
 王妃様は。
 いや、アンダストリア皇国は、『観測者』の国に違いない。
 俺は、『観測者』と話をつけてアンドレア様やルカが何にも縛られずに生きていける世界を作りたい!
 だから!
 「王妃様と会って話をしたい。きっと、『観測者』でも話し合えば理解してくれる筈だし!」
 「そうでしょうか?」
 アンドレア様が小首を傾げる。
 「私たち、『観測者』と分かり合うことができるのでしょうか?」
 できるかどうかじゃないし!
 やるんだ!
 俺は、アンドレア様の手を包み込んだ。
 「俺が君たちを守るためにはそれが必要なんだ!」
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