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4 邪神の神子
4ー3 いつか、きっと。
4ー3 いつか、きっと。
「だって」
僕は、ため息をついた。
「何もかもがあっという間に決まってしまったし。僕の気持ちなんてみんな考えてもくれないから」
「それは、仕方がないでしょ?」
キーンが僕の来ていたガウンを脱がせてその礼服を着せながら続けた。
「ヤマト様の罠にはまってしまったせいでいろいろと思わぬ方向に進んでしまったのかもしれませんが、それでもラムダ様は神に愛されていますよ」
「なんで?」
僕は、礼服に袖を通しながらきいた。
「この状況でそんなことがいえるわけ?」
「だって、普通に考えて他の男に付け狙われているうえに、その男の子を孕んでいるような男を嫁にもらってくれるなんて豪気な方はなかなかいないからですよ、ラムダ様」
キーンは、僕の着ている礼服のボタンを止めながら僕を諭すように話した。
「あのお方は、こういってはなんですが、男の私から見てもいい男ではないですか」
うん。
僕は、頷いた。
確かに、メイソン辺境伯は、ロイは、男から見てもいい男なんだよ。
すごい美形だし、強いし、いい体をしているし、なにより優しい。
だからこそ、僕なんかにはもったいないというか。
僕は、鏡に映った自分を見た。
白いレースの施された美しい礼服姿が映えている。
「これは?」
「メイソン辺境伯、ロイダール様のお母上様のものだそうでございます」
キーンは、僕の白くて柔らかい髪をふんわりとふくらませて大輪のローザの花を束ねて作った髪飾りを飾ると満面の笑みを浮かべた。
「なんでもロイダール様のお母上様も男性でありながらロイダール様をお産みになられたとか。この衣装は、そのお母上様が嫁いでこられたときに着用されていたものだそうでございます」
そんな大切なものを僕に貸してくださったのか?
僕は、ロイへの感謝の思いを深めていた。
僕を庇うためにまさか、ここまでしてくれるなんて。
本当にロイは、心の優しい人なんだ。
それだけじゃない。
剣士としてもかなりの実力の持ち主だし。
きっと引く手あまたなのに違いない。
そんな人にここまでさせてるなんて。
僕は、決意を新たにしていた。
できれば、結婚せずに逃げ出したい。
でも、それが無理ならせめてロイの役に立つ人間になりたい。
今はダメでも、いつか、きっと。
「だって」
僕は、ため息をついた。
「何もかもがあっという間に決まってしまったし。僕の気持ちなんてみんな考えてもくれないから」
「それは、仕方がないでしょ?」
キーンが僕の来ていたガウンを脱がせてその礼服を着せながら続けた。
「ヤマト様の罠にはまってしまったせいでいろいろと思わぬ方向に進んでしまったのかもしれませんが、それでもラムダ様は神に愛されていますよ」
「なんで?」
僕は、礼服に袖を通しながらきいた。
「この状況でそんなことがいえるわけ?」
「だって、普通に考えて他の男に付け狙われているうえに、その男の子を孕んでいるような男を嫁にもらってくれるなんて豪気な方はなかなかいないからですよ、ラムダ様」
キーンは、僕の着ている礼服のボタンを止めながら僕を諭すように話した。
「あのお方は、こういってはなんですが、男の私から見てもいい男ではないですか」
うん。
僕は、頷いた。
確かに、メイソン辺境伯は、ロイは、男から見てもいい男なんだよ。
すごい美形だし、強いし、いい体をしているし、なにより優しい。
だからこそ、僕なんかにはもったいないというか。
僕は、鏡に映った自分を見た。
白いレースの施された美しい礼服姿が映えている。
「これは?」
「メイソン辺境伯、ロイダール様のお母上様のものだそうでございます」
キーンは、僕の白くて柔らかい髪をふんわりとふくらませて大輪のローザの花を束ねて作った髪飾りを飾ると満面の笑みを浮かべた。
「なんでもロイダール様のお母上様も男性でありながらロイダール様をお産みになられたとか。この衣装は、そのお母上様が嫁いでこられたときに着用されていたものだそうでございます」
そんな大切なものを僕に貸してくださったのか?
僕は、ロイへの感謝の思いを深めていた。
僕を庇うためにまさか、ここまでしてくれるなんて。
本当にロイは、心の優しい人なんだ。
それだけじゃない。
剣士としてもかなりの実力の持ち主だし。
きっと引く手あまたなのに違いない。
そんな人にここまでさせてるなんて。
僕は、決意を新たにしていた。
できれば、結婚せずに逃げ出したい。
でも、それが無理ならせめてロイの役に立つ人間になりたい。
今はダメでも、いつか、きっと。
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