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4 邪神の神子
4ー12 助けて!
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4ー12 助けて!
「ヴァルナム神との婚礼?」
僕は、エリアンに訊ねた。
「どういうこと?僕が婚姻の儀式を行ったのは、ロイじゃなかったのか?」
「もちろんメイソン辺境伯とでございますよ、ラムダ様」
エリアンがしれっと答えた。
「ですが、同時にあなた様は暗黒神ヴァルナムの妃となられたのです」
なんですと?
僕が口をパクパクさせているのを見てエリアンが続けた。
「今、あなた様のお体には2つの命が宿っております。一つはあの聖者の子種でございますが、もう一つはヴァルナム神のお子でございます」
なんですと?
僕は、衝撃のあまり吐きそうだった。
なんで、僕に二人も子供が宿ってるわけですか?
一人だって無事でいられる予感がしないのに二人もって!
「僕は、そんなこと認めないぞ!」
僕は、エリアンに告げた。
「そんな邪神と交わったなんてこと、ありえない!」
「しかし、あなた様が暗黒神の神子であることは変えられない事実ですし、そのお体に今お子を宿しておられることも否定することのできない真実でございます」
「そんな」
僕がショックを隠すことができずにいるのを見てエリアンは、にっこりと微笑んだ。
「ご案じめされるな、ラムダ様。暗黒神と呼ばれてはおられるが神には違いがありませんから」
「そういうことじゃねぇし!」
僕は、乱れた呼吸を整えつつ腹に手を当てた。
ここに、子供がいるって言うのか?
それも、光の女神の聖者の子供と邪神の子供が?
子育てとんでもなく大変そうだし!
じゃなくって!
僕は、エリアンに訊ねた。
「そんな、正反対の父親の子供を同時に産むことなんて無理じゃね?」
「大丈夫です、ラムダ様」
エリアンは、僕に満面の笑顔で告げた。
「我々が全面的にお世話させていただきますし、ロイダール様もラムダ様のことを溺愛されていますし。何も問題はございませんよ」
いや!
僕は、心の中で叫んでいた。
問題は大有りだろうが!
僕は、涙ぐんでいた。
僕の気持ちは?
誰も、僕のことを考えてはくれないのか?
神も、邪神もない!
誰か。
僕を助けて!
「ヴァルナム神との婚礼?」
僕は、エリアンに訊ねた。
「どういうこと?僕が婚姻の儀式を行ったのは、ロイじゃなかったのか?」
「もちろんメイソン辺境伯とでございますよ、ラムダ様」
エリアンがしれっと答えた。
「ですが、同時にあなた様は暗黒神ヴァルナムの妃となられたのです」
なんですと?
僕が口をパクパクさせているのを見てエリアンが続けた。
「今、あなた様のお体には2つの命が宿っております。一つはあの聖者の子種でございますが、もう一つはヴァルナム神のお子でございます」
なんですと?
僕は、衝撃のあまり吐きそうだった。
なんで、僕に二人も子供が宿ってるわけですか?
一人だって無事でいられる予感がしないのに二人もって!
「僕は、そんなこと認めないぞ!」
僕は、エリアンに告げた。
「そんな邪神と交わったなんてこと、ありえない!」
「しかし、あなた様が暗黒神の神子であることは変えられない事実ですし、そのお体に今お子を宿しておられることも否定することのできない真実でございます」
「そんな」
僕がショックを隠すことができずにいるのを見てエリアンは、にっこりと微笑んだ。
「ご案じめされるな、ラムダ様。暗黒神と呼ばれてはおられるが神には違いがありませんから」
「そういうことじゃねぇし!」
僕は、乱れた呼吸を整えつつ腹に手を当てた。
ここに、子供がいるって言うのか?
それも、光の女神の聖者の子供と邪神の子供が?
子育てとんでもなく大変そうだし!
じゃなくって!
僕は、エリアンに訊ねた。
「そんな、正反対の父親の子供を同時に産むことなんて無理じゃね?」
「大丈夫です、ラムダ様」
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「我々が全面的にお世話させていただきますし、ロイダール様もラムダ様のことを溺愛されていますし。何も問題はございませんよ」
いや!
僕は、心の中で叫んでいた。
問題は大有りだろうが!
僕は、涙ぐんでいた。
僕の気持ちは?
誰も、僕のことを考えてはくれないのか?
神も、邪神もない!
誰か。
僕を助けて!
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