悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~

トモモト ヨシユキ

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8 魔王と聖者と浄化の旅(2)

8ー2 朝食ですか?

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 8ー2 朝食ですか?

 僕たちが風呂場から出てきて服を整えた頃に部屋の扉がノックされて、キーンがお茶ののったトレイを運んできた。
 「ラムダ様、ロイダール様、おはようございます」
 「おはよう、キーン」
 僕は、ソファに座ってキーンを向かいいれた。
 キーンに手渡されたお茶のカップを手に取ると訊ねた。
 「ソドルは?」
 「ソドルは、イグルトの館に出向きました。聖者一行の安否を調べるために」
 「ヤマトの?」
 僕は、きゅっと唇を噛んだ。
 僕の中には、まだ消化しきれていない複雑な思いが渦巻いていた。
 ヤマトへの思い。
 そして、憎しみ。
 あの夜にヤマトに引き裂かれた思い出を僕は、忘れることはない。
 だが、それを上回るほどに僕は、ヤマトを愛していた。
 ヤマトは、無事なのだろうか?
 僕は、カップをテーブルに置くと身を乗り出した。
 「僕も、行きたい!」
 「だめだ、ラムダ」
 ロイが僕のことをとらえるとその膝の上に座らせた。
 「ソドルが帰るのを待て」
 「でも」
 僕は、ロイに反論しようとした。
 ロイは、僕に微笑みかけると僕の唇にキスしてきた。
 「ソドルに任せよう、ラムダ。あれは、諜報に秀でているからな」
 僕たちは、そのままキーンの用意してくれた朝食を食べた。
 僕は、ロイに小さくちぎられたパンを差し出されて少し悩んでから口を開いた。
 ロイは、僕の口の中へとパンをいれるとしばらく僕の口中に指をいれたまま僕のことを見つめていた。
 僕は、パンを受け入れるとロイの指先をぺろっと舐めた。
 
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