3 / 111
1 輿入れですか?
1ー3 紋様
しおりを挟む
1ー3 紋様
その夜、俺は、なかなか眠りにつけなかった。
俺は、本当のアンリではない。
このロートルワーズ子爵家の次男であるアンリ・フランソワ・ロートルワーズは、俺であって俺ではないのだ。
そのことに気づいたのは、5歳の頃のことだった。
その頃、俺は、体が弱くてよく熱を出して寝込んでいた。
だが、当然、医者が呼ばれることはなく、母さんが自分の飲み薬を飲ませてくれるぐらいの手当てしか受けられなかった。
そのときは、マジでやばくて。
俺は、3日も意識が戻らなかったらしい。
そして。
目が覚めると俺は、俺だった。
もとの名前は、覚えていない。
ただ、俺は、ニホンのごく普通の大学生だった。
なんでか知らないが、突然、俺は、アンリになっていたのだ。
しかも!
俺の体には、アンギローズの証である魔族の紋様が刻まれていた。
あれ?
これ、知ってる!
俺は、はっと息を飲んだ。
この世界は、俺がニホンで読んだことがあるマンガの世界だ!
『闇の華』
それは、俺の2歳上の姉がはまっていたBLマンガだった。
なんでわかったかというと、この魔族の紋様のせいなんだが、そこで俺は、頭を傾げた。
俺、いったいなんでこの世界に転生したの?
というのも、『闇の華』には、アンリなんて出てこなかったから!
もしかしてモブ中のモブ?
でも、そのときは、それ以上考えられなかった。
熱が下がって元気になった俺に紋様の話を聞かされて今度は、母さんが倒れてしまったからだ。
俺は、母さんをベッドに休ませるといつもの薬を飲ませて様子を見ていた。
「アンリ」
夜中にうとうとしていたら名前を呼ばれて顔を上げたら、母さんが涙を流していた。
母さんは、薄い金色の髪に青い目をした人形みたいにきれいな人だ。
もともとは、男爵家の出なんだが無理矢理父の愛人にされたらしい。
母さんからすれば俺は、望まぬ子だったわけだ。
にもかかわらず母さんは、俺を可愛がってくれていた。
母さんは、ベッドに起き上がると俺の頭を撫でた。
「かわいそうな子。まさか、呪われし者だったなんて」
母さんは、俺に決してその紋様を他人に見せてはならない、と話して聞かせた。
決して、自分がアンギローズだと知られてはいけない。
幸いなことに俺の体に現れた紋様は、下腹にあったので下履きを脱ぎさえしなければ誰にも見られることはなかった。
その夜、俺は、なかなか眠りにつけなかった。
俺は、本当のアンリではない。
このロートルワーズ子爵家の次男であるアンリ・フランソワ・ロートルワーズは、俺であって俺ではないのだ。
そのことに気づいたのは、5歳の頃のことだった。
その頃、俺は、体が弱くてよく熱を出して寝込んでいた。
だが、当然、医者が呼ばれることはなく、母さんが自分の飲み薬を飲ませてくれるぐらいの手当てしか受けられなかった。
そのときは、マジでやばくて。
俺は、3日も意識が戻らなかったらしい。
そして。
目が覚めると俺は、俺だった。
もとの名前は、覚えていない。
ただ、俺は、ニホンのごく普通の大学生だった。
なんでか知らないが、突然、俺は、アンリになっていたのだ。
しかも!
俺の体には、アンギローズの証である魔族の紋様が刻まれていた。
あれ?
これ、知ってる!
俺は、はっと息を飲んだ。
この世界は、俺がニホンで読んだことがあるマンガの世界だ!
『闇の華』
それは、俺の2歳上の姉がはまっていたBLマンガだった。
なんでわかったかというと、この魔族の紋様のせいなんだが、そこで俺は、頭を傾げた。
俺、いったいなんでこの世界に転生したの?
というのも、『闇の華』には、アンリなんて出てこなかったから!
もしかしてモブ中のモブ?
でも、そのときは、それ以上考えられなかった。
熱が下がって元気になった俺に紋様の話を聞かされて今度は、母さんが倒れてしまったからだ。
俺は、母さんをベッドに休ませるといつもの薬を飲ませて様子を見ていた。
「アンリ」
夜中にうとうとしていたら名前を呼ばれて顔を上げたら、母さんが涙を流していた。
母さんは、薄い金色の髪に青い目をした人形みたいにきれいな人だ。
もともとは、男爵家の出なんだが無理矢理父の愛人にされたらしい。
母さんからすれば俺は、望まぬ子だったわけだ。
にもかかわらず母さんは、俺を可愛がってくれていた。
母さんは、ベッドに起き上がると俺の頭を撫でた。
「かわいそうな子。まさか、呪われし者だったなんて」
母さんは、俺に決してその紋様を他人に見せてはならない、と話して聞かせた。
決して、自分がアンギローズだと知られてはいけない。
幸いなことに俺の体に現れた紋様は、下腹にあったので下履きを脱ぎさえしなければ誰にも見られることはなかった。
962
あなたにおすすめの小説
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
余命半年の俺を、手酷く振ったはずの元カレ二人が手を組んで逃がしてくれません
ユッキー
BL
半年以内に俺は一人寂しく死ぬ。そんな未来を視た。きっと誰も悲しむ人は居ないだろう。そう思っていたから何も怖くなかった。なのにそんな俺の元に過去手酷く振り、今では世界的スターとなった元カレ二人がやってきた。彼らは全てを知っていた。俺がどうして彼らを振ったのか、そして俺の余命も。
全てを諦めた主人公と、主人公を諦めきれないイケメンサッカー選手とシンガーソングライターの再会が導く未来は?
悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!
ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。
らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。
なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。
推し変したら婚約者の様子がおかしくなりました。ついでに周りの様子もおかしくなりました。
オルロ
BL
ゲームの世界に転生したコルシャ。
ある日、推しを見て前世の記憶を取り戻したコルシャは、すっかり推しを追うのに夢中になってしまう。すると、ずっと冷たかった婚約者の様子が可笑しくなってきて、そして何故か周りの様子も?!
主人公総愛されで進んでいきます。それでも大丈夫という方はお読みください。
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜
たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる