侯爵様、主人公はあちらです!~BLマンガの継母に転生したんだが、主人公と攻略対象者が溺愛してくる~

トモモト ヨシユキ

文字の大きさ
6 / 111
1 輿入れですか?

1ー6 兄の劣情

しおりを挟む
 1ー6 兄の劣情

 俺は、金貨でまともに見える古着を仕入れて輿入れの準備をすました。
 もちろん、婚姻式なんてないし。
 荷物も鞄1つだけ。
 ほぼほぼ身一つで嫁にいくことになる俺のことを母さんは、心配してくれたけど、俺は、笑顔を見せた。
 「心配しないで、母さん。俺、うまくやるからね」
 というわけで。
 いよいよ明日は、伯爵家からの迎えがくるという日の夜になって事件は起きた。
 明日に備えて早めに休んでいると、どうにも母屋の方が騒がしい。
 どうしたのか、と俺が起き出すと母さんも不安げに起き出している。
 「どうしたのかしら、アンリ」
 青いほど白い母さんの頬に影がさす。
 俺は、母さんのために普段は近づかない母屋に向かった。
 母屋に裏口から入っていくと言い争う男の声が聞こえてくる。
 どうやら父の執務室からのようだった。
 「なぜ、アンリをグレイスフィールド伯爵なんかの後妻に出すんです?」
 それは、ギードの声だった。
 ギードは、ここしばらくの間、子爵家の領地に行っていて留守だったんだよ。
 いったい、いつの間に帰ってきたんだ?
 「私は、アンリを嫁に出すことには反対です!」
 「お前がアンリを好いていることは知っている」
 いきまいているギードに父が答えるのが聞こえる。
 えっ?
 父は、知ってたんだ。
 俺は、そのことに驚いていた。
 だって、父たちがこのことに口出ししてきたことは、まったくなかったからな。
 俺は、廊下に立ったまま2人の話しに聞き耳をたてる。
 「お前は、このロートルワーズ子爵家の大切な跡取りだ。それが腹違いとはいえ弟にそのような感情を持っているなどとは。褒められたことじゃないぞ、ギード」
 「それはっ!」
 兄が口ごもると父がふん、と笑った。
 「まあ、これは、お前にとってもいい話だった。アンリがいなくなればお前も正気に戻るだろう」
 「私は!」
 ギードがどん、と机を叩く音が聞こえる。
 「あれしか、いらない!アンリだけが欲しいんです!」
 「なら、なおさらあれは、手放さなくては、な」
 父が冷たく応じる。
 「目を冷ませ、ギード。確かにアンリは、なかなか見目がいいかもしれんが、お前には相応しくない」
 「しかしっ!」
 「相手は、伯爵だ。わかっているだろう?ギード」
 父が言うと兄は、言葉に詰まる。
 そう。
 いくら、兄がこの婚姻に異を申し立てようとももう、遅いのだ。
 俺は、ちょっとほっとしていた。
 よかった。
 グレイスフィールド伯爵の話を父が受けてくれて。
 俺は、初めて父に感謝していた。
 さもなければ俺は、兄に無理矢理やられていたかもしれない。
 それだけは、嫌だった。
 いや!
 他にもいっぱい嫌なことはあるけど、特にギードの愛人にされるのは嫌だった。
 ギードの愛人にされてこの屋敷で飼い殺されるなんてごめんだし!
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

余命半年の俺を、手酷く振ったはずの元カレ二人が手を組んで逃がしてくれません

ユッキー
BL
半年以内に俺は一人寂しく死ぬ。そんな未来を視た。きっと誰も悲しむ人は居ないだろう。そう思っていたから何も怖くなかった。なのにそんな俺の元に過去手酷く振り、今では世界的スターとなった元カレ二人がやってきた。彼らは全てを知っていた。俺がどうして彼らを振ったのか、そして俺の余命も。 全てを諦めた主人公と、主人公を諦めきれないイケメンサッカー選手とシンガーソングライターの再会が導く未来は?

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

処理中です...