侯爵様、主人公はあちらです!~BLマンガの継母に転生したんだが、主人公と攻略対象者が溺愛してくる~

トモモト ヨシユキ

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3 継母の心得

3ー4 愛人契約

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 3ー4 愛人契約

 「その、ただで借金の肩代わりをしてくださるんですか?」
 俺は、消え入りそうな声でリュートにきいた。
 「何か、その、要求される、とか?」
 「要求?」
 リュートがきょとんとする。
 「私が?」
 「ああ、いえ、別になければいいんです!」
 俺は、慌てて誤魔化そうとするがリュートは、なにやら考え込んでから信じられないぐらいいい顔して俺を見た。
 「それは、いいかもしれないな」
 何がいいかもしれないんですか?
 俺がびくびくしているとリュートが笑顔でみなに宣言した。
 「どうだろう。ただ借金を肩代わりしたのでは心苦しいとアンリもいうことだし、ここは、当然の対価を求めてみるというのは?」
 「対価、ですか?」
 ロゼス君がちらっとラトグリフをうかがう。
 「どんなことでしょう?」
 俺は、頭を抱えていた。
 しまった!
 俺のせいだ!
 俺が余計なことを言ったから!
 ロゼス君、ごめん!
 ロゼス君が酷い目にあえばいいのになんて、決して思ってないから!
 俺は、いつだって君の見方だし!
 「私が望む対価は」
 リュートが口を開く。
 しん、と部屋の中が静まり返る。
 ごめん!
 俺は、必死に心の中でロゼス君に謝っていた。
 「アンリを」
 はいっ?
 予想外の言葉に俺は、ぎょっとして顔を上げた。
 ロゼス君とラトグリフも顔を見合わせている。
 「アンリ・フランソワ・グレイスフィールド伯爵代理を私の愛人とすることを要求する」
 はいぃっ!?
 俺は、もう、泣きそうになってしまう。
 なんで?
 そこは、ロゼス君を要求するとこでしょ?
 なんで俺?
 「それは……」
 ロゼス君がちらっと俺の方をうかがう。
 俺は、涙目でロゼスくんを見つめた。
 頼む!
 反対して!
 自分が代わりにとか言わなくてもいいけど、ここは、反対して!
 だが、ロゼス君は、神妙に頷く。
 「アンリが決めることなんじゃないか、と。アンリがそれを望むなら、僕は、反対したりするつもりはありません」
 マジか!
 すぅっとリュートが俺の腰に手を回して抱き寄せる。
 「反対する者もとくにないし、かまわないだろう?アンリ」
 「ふぇっ?」
 俺は、口をはくはくさせていた。
 なんとかしなくては!
 このままだと、俺がロゼス君の代わりにこのヤンデレ男の餌食になってしまう!
 「では、そういうことで契約書を用意させよう」
 リュートがにこやかに告げる。
 まずい!
 ほんとにまずいってばっ!
 俺は、リュートに抗議しようとしたが、声が出なくて!
 「あっ、あのっ!」
 「なんだ?アンリ」
 じっと見下ろす金色の瞳に俺は、わなないた。
 「その、契約って、俺」
 「心配するな、アンリ」
 リュートが妖しく美しい笑みを浮かべた。 
 「うんと可愛がってやる」
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