侯爵様、主人公はあちらです!~BLマンガの継母に転生したんだが、主人公と攻略対象者が溺愛してくる~

トモモト ヨシユキ

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8 始祖の再来

8ー8 見せたくない

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 8ー8 見せたくない

 それでも、魔力を放出したせいで俺は、滾っていて、その場に立っているのも辛かった。
 まずい。
 キラキラ輝く笑顔のみなさんが俺の方へと駆けてくるのを見て俺は、焦っていた。
 こんな姿を見られたくないかも。
 俺が火照る顔を背けているとリュートが俺を抱き上げる。
 「な、何するっ!」
 「じっとしてろ。辛いんだろう?」
 リュートが小声で告げた。
 「すぐに楽にしてやる」
 リュートの言葉に俺は、思わず精を放たずにイッてしまう。
 「んぅっ!」
 荒い呼吸をしている俺を見てリュートがちゅっと頬にキスを落とす。
 「そんな顔、他の連中には、見せたくないな」
 一瞬、リュートの魔力が膨れ上がるのを感じたが、何も異変はない。
 うん?
 俺は、自分の周囲に黒い霞のようなものがまとわりつくのを感じていた。
 『闇魔法かの。今時、珍しいことじゃ』
 リュートの頭上に浮いているイキナムチが俺を覗き込む。
 闇魔法?
 『そうじゃ。どうやら、お主の主は、闇の力を持つようじゃな』
 マジですか?
 そういえば『闇の華』の中でそんなこと言ってることがあったような。
 俺は、薄れている記憶を辿ろうとした。
 確か、リュートは、膨大な魔力を有しており、そのため、人々から魔王の再来とか言われて恐れられていた。
 でも、特に、リュートの魔法属性は、明記されてなかったような。
 『闇の魔法を持つ者は、魔力保有量が多いことで有名じゃから、お主の『創造』の魔法とは、すこぶる相性がよいの』
 イキナムチに言われて俺は、顔が熱くなってうつ向く。
 こんな顔、リュートに見られたくないし!
 だが、俺は、黒い霞の凝縮したような何かにくぃっと顎を掴まれて上を向かされてしまった。
 目の前にリュートの金色の瞳がある。
 「何を考えている?アンリ」
 「な、何も!」
 俺は、慌てて答えた。
 てか、この黒い手のようなもの、なんですか?
 もしかして触手?
 そういえば、前世で見た『闇の華』の中ではリュートがお仕置きと称してロゼスのことを触手を使っていたぶっていたな。
 俺は、嫌な予感にさいなまれる。
 いつか、俺、触手で?
 ちらっとリュートを見上げるとリュートは、俺を愛おしそうな眼差しで見つめてくる。
 どきん、と俺の心臓が跳ねた。
 「ご領主様!」
 ライゾさんたちが俺たちの回りに駆け寄ってきたが、なぜか、一瞬、足を止める。
 「アンリ様、どうされたのですか?」
 オリベ君がいぶかしげに目を細める。
 うん?
 「どうかしましたか?」
 俺が問うとライゾさんが恐る恐る答える。
 「はい、その、ご領主様の顔が霞んで見えませんので」
 ええっ?
 俺が少し焦っていると、リュートが低い声を出す。
 「大丈夫だ。これは、私がアンリの顔を隠しているだけだ」
 顔を隠してる?
 俺もライゾさんたちもキョトンとしていた。
 
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