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10 故郷
10ー3 帳簿ですか?
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10ー3 帳簿ですか?
クルシキがなんとか落ち着いてきたので俺たちは、クルシキをライゾさんたちに任せて領都であるジルトニアに戻ることにした。
すでにアルデナール公爵家からきてくれていた救援物資を運んでくれた人たちはアルデナール公爵領へ帰っていたが、ロングィユさんたち騎士は、残ってクルシキの民のために力を貸してくれていた。
俺は、騎士達を領都ジルトニアの屋敷でささやかな宴を開いてもてなすことにしていた。
ジルトニアまでの帰りは、かなり時間を短縮できた。
というのも沼地を改良しレンガで舗装した街道をつけたので馬車が通りやすくなったからだ。
来るときは、半日はかかった道がほんの1時間ほどで領都へと到着できた。
屋敷ではジロウザさんとロロが待っていた。
「仕事は、まだまだありますからね!」
ロロは、さっそくリュートを拘束して執務室へと向かっていく。
リュートは、名残惜しそうな目で俺を見ていたが、俺が笑顔で手を振るとロロに引きずられるようにして屋敷の中に消えていった。
俺は、ジロウザさんとリビングへ向かうとのんびりとお茶をいただく。
「この辺りのお茶でございます」
ジロウザさんがすすめてくれたお茶は、日本茶のようだった。
というか。
お茶の入った茶碗の中を覗くと茶柱が立っていた。
「きっと、いいことがありますよ、アンリ様」
ジロウザさんがにっこりと微笑む。
俺は、午後から少しジルトニアの町を見て回ることにした。
王都から来てからもう、2週間ぐらいたつんだが、クルシキのことで忙しくていまだに領都のことはまったく視察していなかったしな。
昼食には、リュートは、食堂へは来なかった。
なんでも今までグレイスフィールド伯爵が手をつけてなかった書類が山ほどたまっていたらしい。
俺は、町に出掛ける前にちょっと執務室へ顔を出すことにする。
また、うるさいこと言われたくなし!
俺が行ってもリュート達は、顔を上げる間もないほど忙しそうで。
「これから、ちょっと、町に視察に行きます」
そう、俺が言うとリュートががばっと顔を上げる。
「なら、私も行こう!」
「侯爵様は、ダメです!」
ロロが速攻で却下する。
しかし、なんでこんなに書類がたまってるの?
確かに、リュートからきいたことによるとグレイスフィールド伯爵は、字を読めなかったらしいけど、ロロたち執務官だっていたんだし。
俺は、リュートの机に積まれている書類を1枚手に取って見た。
それは、グレイスフィールド伯爵が購入したものの領収書みたいなもので。
てか、もしかしてこの書類って、帳簿のためのものですか?
「もしかして出納帳をつけてるんですか?」
俺の問いにロロがきっ、と睨み付ける。
「そうですが、何か?」
「いや」
俺は、積んである書類をぺらぺらっとめくって見ていく。
「それなら、もっとわかりやすくすればいいのに、と思って」
「どう、わかりやすくするっていうんです?」
ロロが切れそうなので俺は、リュートの机に置かれた書類をとりあえず支払った分と受け取った分に分けていった。
「こんなすべての書類をいっぺんにまとめて記入していくなんてやりにくくないですか?こうして収入と支払いをわけただけでもずいぶんとわかりやすくなるんじゃ」
俺は、こう見えても前世では、簿記2級を持っていた。
いや!
ぜんぜん自慢ならないかもだけどな!
「あなた、もしかして帳簿が理解できるんですか?」
ロロが信じられないというような顔で俺を見る。
「てっきり見た目通りのおバカ、いや、げふげふん、あの、噂では貴族学院にもいってないとのことでしたので」
クルシキがなんとか落ち着いてきたので俺たちは、クルシキをライゾさんたちに任せて領都であるジルトニアに戻ることにした。
すでにアルデナール公爵家からきてくれていた救援物資を運んでくれた人たちはアルデナール公爵領へ帰っていたが、ロングィユさんたち騎士は、残ってクルシキの民のために力を貸してくれていた。
俺は、騎士達を領都ジルトニアの屋敷でささやかな宴を開いてもてなすことにしていた。
ジルトニアまでの帰りは、かなり時間を短縮できた。
というのも沼地を改良しレンガで舗装した街道をつけたので馬車が通りやすくなったからだ。
来るときは、半日はかかった道がほんの1時間ほどで領都へと到着できた。
屋敷ではジロウザさんとロロが待っていた。
「仕事は、まだまだありますからね!」
ロロは、さっそくリュートを拘束して執務室へと向かっていく。
リュートは、名残惜しそうな目で俺を見ていたが、俺が笑顔で手を振るとロロに引きずられるようにして屋敷の中に消えていった。
俺は、ジロウザさんとリビングへ向かうとのんびりとお茶をいただく。
「この辺りのお茶でございます」
ジロウザさんがすすめてくれたお茶は、日本茶のようだった。
というか。
お茶の入った茶碗の中を覗くと茶柱が立っていた。
「きっと、いいことがありますよ、アンリ様」
ジロウザさんがにっこりと微笑む。
俺は、午後から少しジルトニアの町を見て回ることにした。
王都から来てからもう、2週間ぐらいたつんだが、クルシキのことで忙しくていまだに領都のことはまったく視察していなかったしな。
昼食には、リュートは、食堂へは来なかった。
なんでも今までグレイスフィールド伯爵が手をつけてなかった書類が山ほどたまっていたらしい。
俺は、町に出掛ける前にちょっと執務室へ顔を出すことにする。
また、うるさいこと言われたくなし!
俺が行ってもリュート達は、顔を上げる間もないほど忙しそうで。
「これから、ちょっと、町に視察に行きます」
そう、俺が言うとリュートががばっと顔を上げる。
「なら、私も行こう!」
「侯爵様は、ダメです!」
ロロが速攻で却下する。
しかし、なんでこんなに書類がたまってるの?
確かに、リュートからきいたことによるとグレイスフィールド伯爵は、字を読めなかったらしいけど、ロロたち執務官だっていたんだし。
俺は、リュートの机に積まれている書類を1枚手に取って見た。
それは、グレイスフィールド伯爵が購入したものの領収書みたいなもので。
てか、もしかしてこの書類って、帳簿のためのものですか?
「もしかして出納帳をつけてるんですか?」
俺の問いにロロがきっ、と睨み付ける。
「そうですが、何か?」
「いや」
俺は、積んである書類をぺらぺらっとめくって見ていく。
「それなら、もっとわかりやすくすればいいのに、と思って」
「どう、わかりやすくするっていうんです?」
ロロが切れそうなので俺は、リュートの机に置かれた書類をとりあえず支払った分と受け取った分に分けていった。
「こんなすべての書類をいっぺんにまとめて記入していくなんてやりにくくないですか?こうして収入と支払いをわけただけでもずいぶんとわかりやすくなるんじゃ」
俺は、こう見えても前世では、簿記2級を持っていた。
いや!
ぜんぜん自慢ならないかもだけどな!
「あなた、もしかして帳簿が理解できるんですか?」
ロロが信じられないというような顔で俺を見る。
「てっきり見た目通りのおバカ、いや、げふげふん、あの、噂では貴族学院にもいってないとのことでしたので」
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