62 / 217
6 魔法学園に入学しました。
6-11 夜の来訪者たち
しおりを挟む
6ー11 夜の来訪者たち
こうして俺とクロの魔法学園への入学は決まった。
遠話の魔法で知らせをきいたばあちゃんは、微かにちっと舌打ちをした。
はい?
マジですか?
俺が、驚いていると、ばあちゃんは、何事もなかったかのように優しく微笑んだ。
「よかったわね、さすが私の孫たちだわ」
俺は、ホッと胸を撫で下ろした。
よかった。
気のせいだ。
ばあちゃんは、なんとかして入学式に来たいといっていたが、ちょっと難しそうだった。
だって、ばあちゃんは、ガーランド公国の女王だからな。
その代わりというのはなんだったが、入学式の前日の夜、俺たちの王都の家を思わぬ客が訪れた。
コンラッドの父様、母様だ。
2人は、俺の姿を見ると信じられないというように泣き崩れた。
特に母様は、泣きながら俺を抱き締めて離そうとしなかった。
「メリッサ!本当に、あなたなのね」
「母様、痛いよ」
俺も母様を抱き締めた。
母様は、かわらずいい香りがしていた。
俺は、というかメリッサ・コンラッドは、死んだことになっていた。
最初、じいちゃんたちは、これを取り消そうかと思ったらしい。
でも、俺の話をきいたじいちゃんたちは、このまま俺が死んだことにするべきだと結論づけた。
それは、ルーラと揉めたくなかったのと、それとルーラの言う俺の命を狙っている何者かから俺を隠すためには、この方がいいということになったからだった。
だから、俺と父様、母様が会うのはあまりおおぴらにはできないことだった。
父様、母様は、夜陰にまぎれてわざわざ貸し馬車に乗ってここまで来てくれていた。
俺と、コンラッド家の関わりがみんなの知るところになると、せっかく俺が死んだことにしている意味がないから、と言って2人は、身なりも町人風に変えて来てくれていた。
俺たちは、夜が更けるまで語り合った。その間、ずっと2人は、俺の手を握って離さなかった。
夜が開けるまでには、2人は去っていったけど、俺は、満足していた。
失ったもの、すべて、取り戻した。
だけど。
俺は、少しだけ胸が痛んだ。
ばあちゃんに内緒で父様、母様たちに会っていることがなんだか、ばあちゃんに対する裏切りのような気がしていたんだ。
いつか、必ず、ばあちゃんに俺の家族たちを会わせたい。
そう、俺は思っていた。
こうして俺とクロの魔法学園への入学は決まった。
遠話の魔法で知らせをきいたばあちゃんは、微かにちっと舌打ちをした。
はい?
マジですか?
俺が、驚いていると、ばあちゃんは、何事もなかったかのように優しく微笑んだ。
「よかったわね、さすが私の孫たちだわ」
俺は、ホッと胸を撫で下ろした。
よかった。
気のせいだ。
ばあちゃんは、なんとかして入学式に来たいといっていたが、ちょっと難しそうだった。
だって、ばあちゃんは、ガーランド公国の女王だからな。
その代わりというのはなんだったが、入学式の前日の夜、俺たちの王都の家を思わぬ客が訪れた。
コンラッドの父様、母様だ。
2人は、俺の姿を見ると信じられないというように泣き崩れた。
特に母様は、泣きながら俺を抱き締めて離そうとしなかった。
「メリッサ!本当に、あなたなのね」
「母様、痛いよ」
俺も母様を抱き締めた。
母様は、かわらずいい香りがしていた。
俺は、というかメリッサ・コンラッドは、死んだことになっていた。
最初、じいちゃんたちは、これを取り消そうかと思ったらしい。
でも、俺の話をきいたじいちゃんたちは、このまま俺が死んだことにするべきだと結論づけた。
それは、ルーラと揉めたくなかったのと、それとルーラの言う俺の命を狙っている何者かから俺を隠すためには、この方がいいということになったからだった。
だから、俺と父様、母様が会うのはあまりおおぴらにはできないことだった。
父様、母様は、夜陰にまぎれてわざわざ貸し馬車に乗ってここまで来てくれていた。
俺と、コンラッド家の関わりがみんなの知るところになると、せっかく俺が死んだことにしている意味がないから、と言って2人は、身なりも町人風に変えて来てくれていた。
俺たちは、夜が更けるまで語り合った。その間、ずっと2人は、俺の手を握って離さなかった。
夜が開けるまでには、2人は去っていったけど、俺は、満足していた。
失ったもの、すべて、取り戻した。
だけど。
俺は、少しだけ胸が痛んだ。
ばあちゃんに内緒で父様、母様たちに会っていることがなんだか、ばあちゃんに対する裏切りのような気がしていたんだ。
いつか、必ず、ばあちゃんに俺の家族たちを会わせたい。
そう、俺は思っていた。
8
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~
存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?!
はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?!
火・金・日、投稿予定
投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』
元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち
せいめ
恋愛
侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。
病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。
また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。
「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」
無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。
そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。
生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。
マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。
「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」
三度目の人生はどうなる⁈
まずはアンネマリー編から。
誤字脱字、お許しください。
素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
攻略. 解析. 分離. 制作. が出来る鑑定って何ですか?
mabu
ファンタジー
平民レベルの鑑定持ちと婚約破棄されたらスキルがチート化しました。
乙ゲー攻略?製産チートの成り上がり?いくらチートでもソレは無理なんじゃないでしょうか?
前世の記憶とかまで分かるって神スキルですか?
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
神のミスで転生したけど、幼女化しちゃった! 神具【調薬釜】で、異世界ライフを楽しもう!
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
旧題:神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!
電子書籍は、2026/3/9に発売です!
書籍は2026/3/11に発売(予約受付中)です!メロンブックス様より、特典の描き下ろしSSペーパーがあります。詳しくは、メロンブックス様へお願い致します。
イラストは、にとろん様です。よろしくお願い致します!
ファンタジー小説大賞に投票して頂いた皆様には、大変感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる