婚約破棄から始まるとんでも異世界冒険譚~黒猫の騎士とポンコツ姫~

トモモト ヨシユキ

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8 楽しい夏休み?

8-8 亡霊ですか?

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             8ー8    亡霊ですか?

   俺が王都に降らせた雨は、翌日になってもまだ降り続いていた。
     俺は、さすがに疲れていたのか、昼前にやっと起き出して部屋でぼんやりとしてサイの入れてくれたお茶を飲んでいた。
    じいちゃんとアル兄がやって来たのは、そんなときのことだった。
    俺がじいちゃんとアル兄が待っている客用のリビングルームに行っても、2人は、珍しく難しい顔をして俺に軽口を叩くこともなくソファに腰かけていた。
    なんだ?
   俺は、なんだか嫌な予感がしていた。
   俺の後をついて回っているナノがきゅうんと首を傾げて2人を見つめていた。
    「どうしたの?二人共」
     「メリッサ、お前にききたいことがあってきた」
    じいちゃんが固い声で言った。
    「昨日、何者かが王都の外壁を破壊しオロチを放った 」
    「マジで?」
     俺は、本気で驚いていた。
    あのオロチは、何者かのテロだったのか?
    じいちゃんが続けた。
   「騎士団の面々が言うには、その現場に黒い巨大な聖獣に乗った金髪の少女が現れたのを見たそうだ」
     「ああ、それ、俺とクロだよ」
     俺は、言った。
      じいちゃんとアル兄は、そっと目配せしあった。
    「やはりそうなのか?メリッサ。お前が、オロチの手引きを?」
    俺は、飲んでいたお茶をぶわっと吹き出した。
    「あ、あの、ごめん」
     俺は、失礼を詫びると、2人に言った。
    「俺がオロチに王都を襲撃させたって?いったい、なんで?」
     「それは・・」
     じいちゃんが答えた。
    「お前は、この国を恨んでいるのではないのか?お前に無実の罪を着せて、家族を奪ったこの国を」
    「だから、俺が、そんなことをしたっていうの?」
     俺は、言葉にできないぐらいの苛立ちを感じていた。
    「なんで?この国を恨んでないかと言えば恨んでないとは言い切れない。でも、俺は、なんの関係もない人たちを巻き込んだりはしない」
     「そうか」
     じいちゃんは、俺の言葉をきいて、ホッと表情を緩めた。
    「やっぱり、メリッサは、メリッサだ。私も、お前を信じていた。だが、金髪の美少女があの場に現れたことを知った者たちの中には、それがお前の亡霊だと噂する者もいてな」
    はい?
   俺の亡霊、だって?
   「誰がそんなことを?」
    「たぶん、シュナイツの婚約者であるアビゲイルとその周囲の者たちではないかと私は思っている」
    あー。
   俺は、かなり遠くまでひいていた。
    いたよな、そんな連中が。

    
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