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2 村から始める国造りって、何?
2ー2 水の対価は
しおりを挟むルギナリスは、俺たちを街の外れにある巨大な窪地へと連れていった。
「ここは、かつて豊かな水を湛えていた湖だったのだが、この数年の日照りで干上がってしまったのだ。ここに、ウルディナル湖の水を注いでいただきたい」
「わかりました」
なぜか、姫が快く返事をした。
「さあ、水をお出しなさいな、カナメ」
俺は、ムカつきを隠せなかったが、おとなしく姫に従いストレージに収納したウルディナル湖の水を注ぎ込んだ。
水は、あっという間にその干からびた湖を満たしていき、溢れ出した。その流れは、川となり乾ききったクリシュナーダの大地を潤していった。
「おおっ!」
ルギナリスが感極まって声をあげた。
「川が!この砂漠の都に川が流れている!」
その大河は、街の側まで流れていくとそこにいくつかの泉を作った。
ルギナリスは、俺に頭を垂れた。
「疑ってすまなかった、異国の勇者よ。ありがとう。あなたのおかげで、我が都の民は救われた」
「いや、どうってことないですよ」
俺は、照れ隠しの笑いを浮かべていた。
「んぐっ!」
不意に、脇腹を姫に肘で小突かれて、俺は、俯いた。
この、女はぁ!
俺が涙目で見上げると、姫は、ぷいっとそっぽを向いた。
「いい気になってんじゃないわよ、カナメ」
姫は、いつになく真面目な表情で言った。
「問題は、これからなんだから」
問題?
俺が問いたげに見つめると、姫に代わってナジが答えた。
「カナメ様、姫は、こう仰りたいのです。『我々は、まだ、対価を得ていない』と」
確かに。
俺たちは、まだ、このことの対価を得てはいなかった。だが、たかが水のために何をくれるって言うんだ?
俺は、姫を見つめた。
姫は、自信満々そうな笑顔を浮かべて見せた。
「まあ、見てなさいな、カナメ。我々の外交交渉力を」
そうなの?
俺は、ちょっと感心していた。
ただの性格の悪い女なだけじゃないってとこ、みせてもらうぜ、姫。
俺は、姫ににっと笑いかけた。
「任せなさい」
姫が胸を張って頷いた。
「このマージニア・ラニ・クリスティアをなめないで!」
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