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6 ゲートを開け!敵は、クリスティア王国にあり!!
6ー8 今さらですが、勇者なのです。
しおりを挟むしばらくすると、屋敷のメイドさんが俺を呼びに来た。
「夕食の準備が出来ました」
俺たちは、それぞれが屋敷の使用人たちに導かれて食堂へと集まった。
俺とエリオス、ジル、カリファは、纏っていたローブを脱いだだけの姿だったが、女性陣は、それぞれ鮮やかなドレスを身に纏っていた。
俺は、知らず知らずのうちにアズミちゃんの姿を目で追っていた。
柔らかな光沢のある薄いピンクのドレスは、優しくアズミちゃんの体を包み込んでいて、とてもよく似合っていた。
俺の隣に腰を下ろしたアズミちゃんは、頬を染めて言った。
「あんまり見ないで、カナメ。恥ずかしい」
「なんで?よく似合ってるよ、アズミちゃん」
このドレスの生地は、おそらくエレクシアから輸入された生糸でできていた。だが、エレクシアは、まだ、クリスティアとは、交易はしていない筈だった。
この屋敷の主は、他所の国から個人的に絹を仕入れているのか?
俺は、伯爵家の底知れぬ財力に感心していた。
俺たちは、夕食の後、場所をエンリコの書斎へと移してお茶を飲みながら話した。
エンリコは、姫が国を追われてからのことを話してくれた。
「王が亡くなり、姫が国を追われてすぐにヨハンナ様が女王となられました。姫には気の毒なことでしたが、これもまた、予言書に書かれていたことでした」
「予言書に?」
姫は、エンリコに訊ねた。
「私たちの持っている予言書には、そんなことは書かれていなかったわ。いったい、何のことなの?」
「姫、実は、クリスティア王国に伝わる予言書は、2冊あったのです。姫の持っておられるものとヨハンナ様が持っておられるもの。2冊で1つの予言書なのです」
ヨハンナの持つ予言書には、勇者の召喚方法と王国を襲う厄災と王国の最後が書かれているのだという。
「王国の最後?」
「そうです」
エンリコは、頷いた。
「王国は、今、危機に瀕しています。それは、消滅という名の厄災に教われているからなのです。その厄災から逃れるために勇者が必要だったのですが、勇者召喚には、失敗をしてしまったのです。そのため、我が国は、終焉に飲み込まれようとしているのです」
うん。
勇者が戦うのは、魔王ではなく厄災だったんだ。
俺は、ちょっとホッとしていた。
「そうなのですか?私の持っている予言書には、勇者召喚は、実は、成功していて、しかも、国を追われた勇者は、新しい国を造ると書かれています」
姫が言った。
「それは、全て、現実のものとなっています」
そうなんだ。
俺は、聞かされていなかった予言書の話を初めて知った。
「では、勇者は、現れているのですか?」
エンリコがきくと、姫が答えた。
「もちろんです。我々の勇者は、この、カナメ、です」
「はぁ・・」
エンリコがマジマジと俺を見つめた。
「この方は、もしかしてヨハンナ様が召喚された方ではないのですか?」
「そうです。カナメは、異世界より召喚された勇者なのです」
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