竜の国のカイラ~前世は、精霊王の愛し子だったんですが、異世界に転生して聖女の騎士になりました~

トモモト ヨシユキ

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第3章 ライバル宣言!

3ー2 招かれざる客

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 3ー2 招かれざる客

 しばらくフローラ様とお茶をいただきながらお話をしていた。
 フローラ様は、アルタス様とサリタニア王立魔法学園での同級生であるらしく昔を懐かしむようなお話をされていた。
 わたしは、神妙な顔をしてフローラ様たちの話に耳を傾けていたが、やがて領地の話や貴族たちの噂話になっていくと退屈してきてしまいそっとあくびを噛み殺していた。
 「カイラは、こんな大人の話、つまらないでしょう?」
 フローラ様がくすくすと笑いながらわたしに手にしていた扇で会場の方を指し示した。
 「あちらの方々と交流を深めていらっしゃいな。これから共に学ぶ学友たちなのだから」
 というわけでわたしは、一人で会場に放流されることになった。
 広い中庭にはいくつかのテーブルがおかれていてそこには可愛らしく飾られたおいしそうなお菓子の山が置かれていた。
 このパーティは、サリタニア王立魔法学園の入学者を招いてのものなので昼間の立食パーティの形をとられていた。
 新入生とはいえ、すでにいくつかの派閥が作られているようでわたしが話しかけることは憚られた。
 わたしは、一人でお菓子を楽しむことにした。
 うん。
 かわいいだけじゃなくってずごくおいしい。
 わたしは、マオにもそっとお菓子をわけてやっていた。
 マオは、実は、甘いものに目がないのだ。
 「んぐんぐ、これ、すっごくおいしいわ、カイラ」
 肩でもぐもぐしているマオにわたしが微笑んでいると、誰かが背後から声をかけてきた。
 「カイラ」
 こんな場所で突然名を呼ばれてわたしは、驚いて振り返った。
 そこには、すてきなピンク色のドレスを身に纏ったルイーズの姿があった。
 「ルイーズ?」
 わたしが問い掛けると、ルイーズは、嫌そうな顔をした。
 「気安く呼び掛けないでくれる?あんたなんかと知り合いだと思われたら困るから」
 はい?
 なら、話しかけなければいいんじゃ?
 当惑しているわたしにルイーズは、ふん、と鼻を鳴らした。
 「なんでこんなところにあんたなんかがいるわけ?ここは、貴族の集まるパーティなのよ?どうやって入り込んだんだかしらないけど、さっさと出ていきなさいよ」
 「でも」
 わたしがいいよどんでいるとルイーズが意地悪く笑った。
 「いったい誰に取り入って入り込んだんだかしらないけど。ここは、サリタニア王立魔法学園の入学生たちが招待されているパーティなのよ?あんたなんかがきていいところじゃないわ」
 「いや」
 わたしが口を開こうとすると、ルイーズがにやにや笑った。
 「どうせ、あんたのことだからいやらしい商人にでも身を売ったんだろうけどさ。早く出ていった方が身のためよ」
 
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