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第14章 光の乙女

14ー10 尻尾?

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 14ー10 尻尾?

 ふわふわとした感じ。
 わたしは、ゆっくりと伸びをした。
 すごくいい夢から目覚めたような気持ちがした。
 目をひらくと見たことのない天井。
 ここは、どこ?
 わたしは、辺りに目をやった。
 見たことのない部屋だ。
 扉がひらき大きな猫耳を持つメイドさんが手にしていた水の入った壺を落とした。
 乾いた音がして壺が粉々になる。
 メイドさんは、慌ててその場に膝をつく。
 「申し訳ございません!すぐに片付けますので!」
 「その必要は、ない」
 わたしは、床に足を下ろして立ち上がりメイドさんの方へと歩みよった。
 少し体がふらついた。
 でも、わたしは、ゆっくりと歩いていった。
 メイドさんがぼぅっとした表情でわたしを見上げている。
 わたしは、にっこりと笑ってみせた。
 「大丈夫、よ」
 手を伸ばすと精霊たちが手の周囲を飛び交った。
 粉々に壊れた壺が修復されていく。
 こぼれてしまった水が1滴も残らず壺の中へと戻っていった。
  驚いた表情のメイドさんにわたしは、訊ねた。
 「ここは、どこですか?」
 メイドさんは、ぼっと顔を赤らめると立ち上がりくるりと背を向けて走り去った。
 あれ?
 わたしは、自分の手を見た。
 驚かせてしまった?
 わたしは、ため息をついてベッドへと戻ってその端に腰を下ろした。
 わたしは、手を見ていた。
 白い、透き通るようなきれいな手だ。
 でも。
 わたしの手は、こんな手だったっけ?
 わたしは、頬にかかった髪をはらった。
 美しい青銀色の髪は、さらさらで柔らかい。
 わたしの髪は、癖毛で。
 雨が降ると膨らんでしまう。
 とんでもない扱いにくい癖毛で。
 だけど、今は、さらさらのまっすぐなきれいな髪になっていた。
 まるで、夢に見たようなまっすぐなきれいな髪だ。
 わたしは、もう一度両手を見下ろした。
 うん?
 わたしは、白い衣を着せられている自分の体を見下ろした。
 なんだか、今までの自分じゃないみたいだ。
 ちょっとふっくらしたような気がする。
 特に胸の辺りが。
 わたしは、自分の足元を見た。
  銀色の尻尾がゆらゆらと足元に揺れていた。
 ええっ?
 わたしは、驚いて揺れている尾を凝視した。
 なんで、わたしに尻尾があるの?
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