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2 聖女は、隠されたい?
2ー12 告白
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2ー12 告白
食事の後、私は、エリクさんに幾ばくかの土と植木鉢のようなものをもらえないかと頼んだ。昨日、クーノにもらった木の実を鉢に植えて育てたいと思ったからだった。
この木の実は、美味しい。しかもクーノがいうには栄養もある。なら、育てるしかないし!
エリクさんは、台所の隅の方から木箱とそれに入った土を出してくれた。
「前に薬草を育てられないかと思って用意してたものなんだがもう、使わないからユイが使うなら使ってもいい」
そういってくれたので遠慮せずに使わせてもらうことにした。でも、この土、なんかドブの臭いがするし!
きくとこれは、このドブ沼の底から採取した土なのだという。
それってただのドブさらいなんじゃ?
てか、これヘドロじゃね?
これで薬草を育てようとか、エリクさん、ちょっと残念な人なのかも。
ともかく私は、それをデッキに運んでそこでクーノにもらった木の実の残りを1粒蒔いてみることにした。
でも、このままじゃだめそうなのは、園芸初心者の私にもはっきりとわかる。どうしたものか。
『土を浄化して』
ルキエルが囁くので、私は、試しに土に両手をかざして念じてみた。
「なんとかなればいいのに」
すると、その汚染された臭い土が淡い光を発して輝いた。ドロッとしていた土がぱぁっと光ったかと思うと少しぶくぶくっと泡が出てきてどんどん乾いてさらさらになっていく。
光がおさまると土は、普通に園芸屋さんで売ってるような土に変化していた。
うん。
私は、土を手にとって臭いをクンクン、嗅いでみる。
普通に土だ。ドブ臭さもなくなってるし。
私は、その木箱の土に木の実を植えると水をかけた。そして、日当たりのいい場所に置いておいた。
「ユイ」
エリクさんが小屋の中から呼ぶ声がきこえて私は、躾のいい忠犬みたいにすぐにエリクさんのところへと向かった。
エリクさんは、あの悪魔の壺に向かって何やら薬草を放り込んでいた。というか、これ、水につけてるだけのものですよね?薬草を煎じてもいないし。
エリクさんは、汚れのないイケメンスマイルを私に向ける。
「新しい薬草を加えてみたんだ。試飲してくれないか?」
マジですか?
私は、顔がひきつるのを感じていた。
私は、エリクさんの見方だし、どちらかというとエリクさんが好きだ。というか、愛してるかもしれない。でも、その液体を飲みたくはなかった。
私は、エリクさんに訊ねた。
「それって、なんで煎じてないんですか?」
もちろん軽い気持ちで聞いたわけだし、特に悪意はなかったが、エリクさんの表情が曇る。
「やっぱりユイも煎じた方がいいと思うか?」
私は、こくこくと頷いた。だって、ここのドブ水に薬草を浸けただけってだたのドブ水と変わらないし。
エリクさんは、陰りのある横顔で告白した。
「私は、魔法が使えない」
食事の後、私は、エリクさんに幾ばくかの土と植木鉢のようなものをもらえないかと頼んだ。昨日、クーノにもらった木の実を鉢に植えて育てたいと思ったからだった。
この木の実は、美味しい。しかもクーノがいうには栄養もある。なら、育てるしかないし!
エリクさんは、台所の隅の方から木箱とそれに入った土を出してくれた。
「前に薬草を育てられないかと思って用意してたものなんだがもう、使わないからユイが使うなら使ってもいい」
そういってくれたので遠慮せずに使わせてもらうことにした。でも、この土、なんかドブの臭いがするし!
きくとこれは、このドブ沼の底から採取した土なのだという。
それってただのドブさらいなんじゃ?
てか、これヘドロじゃね?
これで薬草を育てようとか、エリクさん、ちょっと残念な人なのかも。
ともかく私は、それをデッキに運んでそこでクーノにもらった木の実の残りを1粒蒔いてみることにした。
でも、このままじゃだめそうなのは、園芸初心者の私にもはっきりとわかる。どうしたものか。
『土を浄化して』
ルキエルが囁くので、私は、試しに土に両手をかざして念じてみた。
「なんとかなればいいのに」
すると、その汚染された臭い土が淡い光を発して輝いた。ドロッとしていた土がぱぁっと光ったかと思うと少しぶくぶくっと泡が出てきてどんどん乾いてさらさらになっていく。
光がおさまると土は、普通に園芸屋さんで売ってるような土に変化していた。
うん。
私は、土を手にとって臭いをクンクン、嗅いでみる。
普通に土だ。ドブ臭さもなくなってるし。
私は、その木箱の土に木の実を植えると水をかけた。そして、日当たりのいい場所に置いておいた。
「ユイ」
エリクさんが小屋の中から呼ぶ声がきこえて私は、躾のいい忠犬みたいにすぐにエリクさんのところへと向かった。
エリクさんは、あの悪魔の壺に向かって何やら薬草を放り込んでいた。というか、これ、水につけてるだけのものですよね?薬草を煎じてもいないし。
エリクさんは、汚れのないイケメンスマイルを私に向ける。
「新しい薬草を加えてみたんだ。試飲してくれないか?」
マジですか?
私は、顔がひきつるのを感じていた。
私は、エリクさんの見方だし、どちらかというとエリクさんが好きだ。というか、愛してるかもしれない。でも、その液体を飲みたくはなかった。
私は、エリクさんに訊ねた。
「それって、なんで煎じてないんですか?」
もちろん軽い気持ちで聞いたわけだし、特に悪意はなかったが、エリクさんの表情が曇る。
「やっぱりユイも煎じた方がいいと思うか?」
私は、こくこくと頷いた。だって、ここのドブ水に薬草を浸けただけってだたのドブ水と変わらないし。
エリクさんは、陰りのある横顔で告白した。
「私は、魔法が使えない」
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