スラムに堕ちた追放聖女は、無自覚に異世界無双する~もふもふもイケメンも丸っとまとめて面倒みます~

トモモト ヨシユキ

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13 聖女の行進

13ー4 『ヴェータ』沼に帰りたい

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 13ー4 『ヴェータ』沼に帰りたい

 私は、テーブルについている聖女たちの顔を見回した。
 何人かの顔色が倒れるんじゃないかと思うぐらい青くなっているし。中には、ぶるぶると震えている子までいる。
 半泣きになってる黒髪の日本人らしい女の子が私に訊ねた。
 「で、でも・・結局は、何事も起こらずに、無事に収まったんでしょう?」
 「そうだね」
 私は、じろっとその子を睨み付けた。
 「ちょっと私が死ぬ目にあって、しかも、その後遺症?でこんなにみんなより幼い姿になっちゃったんだけど」
 私に睨まれて数人の聖女たちがひっと小さく悲鳴を上げた。そのうちの1人、茶色い髪を肩まで伸ばした子ががテーブルに突っ伏して泣き出す。
 「だって!やらないと今度は、私のことをあの子と同じ目にあわせるって」
 その子がわぁっと泣きわめくのを私は、冷ややかな眼差しで見つめていた。
 えぐえぐ、嗚咽しながらその子は、話した。
 「私、ぜったい、生きてもとの世界に帰りたくて・・向こうで家族がきっと心配してるから!だから、アメリア様が言うとおりにしないと・・きっと、次は、私が狙われるって思って・・」
 アメリア様?
 神官と聖女たちが一斉に縦ロールの方を見た。
 なるほど。
 この縦ロールがアメリア様か。
 アメリア様は、思わぬ告白に慌てて弁明した。
 「私がなんでユイ様にそんなことをしなくてはいけないんです?だいたい、ユイ様は、自分勝手で聖女の風上にもおけないとみなさんが言っておられたのではないですか!」
 ほう。
 私は、目を細めた。
 「みんな、そんな風に私のことを話してるんだ」
 他の聖女たちもだんだん青ざめて、口々に私は、やってない、だの、私じゃない、だの言い出した。
 なんか、ざわざわしてすごく嫌な感じ。
 「ああ、ほんと、嫌になるな」
 私は、ふぅっとため息をついた。
 隣の席のストロベリーブロンドがびくっと体をこわばらせる。
 「私は、言ってたの!ユイ様のこと、そんな風に言わないでって!」
 「嘘ばっかり!」
 金髪をお下げにしたそばかすのある聖女、ミアが立ち上がって叫んだ。
 「あんたが最初に私にユイ様が毒を盛ったって騒ぐようにって言ったんじゃない!」
 マジで?
 食堂の中は、パニックだった。
 みな、口々に誰が悪いだの、犯人は、誰だのわぁわぁ叫んでいる。
 私は、頭が痛くなってきた。
 もう、どうでもいい。
 はやく、『ヴェータ』沼に帰りたい。

 
 
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