スラムに堕ちた追放聖女は、無自覚に異世界無双する~もふもふもイケメンも丸っとまとめて面倒みます~

トモモト ヨシユキ

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13 聖女の行進

13ー7 聖女たち

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 13ー7 聖女たち

 私は、背を向けると歩み去った。
 なぜか、パチパチと小さな拍手があがるのが聞こえた。
 「私も、ここを出ていきます!」
 聖女の内の1人が言うのが聞こえた。そして、次々と声が私も、私も、と続く。
 私は、そのまま後ろを振り向くことはなかった。
 だが、背後についてくる足音が聞こえて足を速める。
 嫌な予感がする。
 私は、早足で歩くと神殿の外へと向かう。部屋に残した荷物は、あとで精霊さんたちに届けてもらうことにする。
 神殿の外に繋がるエリアにあるリビングには、エリクさんとルシアさんがいた。
 2人は、私をみて驚いた顔をしていた。
 「ユイ?」
 「話しは、後で!帰ろう、エリクさん!ルシアさん!」
 私は、その周囲の精霊さんたちを呼び寄せるとそのリビングの中にいたエリクさんとルシアさんと私を『ヴェータ』沼へと転移してもらった。
 一瞬、目の前が暗くなり、次の瞬間には、私たちは、『ヴェータ』沼の王都の近くの岸辺に立っていた。
 ちょっと精霊さんたちに力を持っていかれてふらつく私をエリクさんが支えてくれた。
 「大丈夫か?ユイ」
 「平気です!」
 いや、平気ではなかった。
 エリクさんに抱き締められて、そのご尊顔を目の前にして私は、目がチカチカしていた。
 慣れたようでもまだまだこのイケメンぶりには目が慣れない。
 私は、ふいっと目をそらすとふらつく足を踏みしめる。
 そして、叫んだ。
 「なんで、聖女がここに来てるの?」
 精霊たちがこの『ヴェータ』沼へと転移してきたのは私たちだけではなかった。
 なんと、ずらずらと他の聖女たちまでついてきていたのだ!
 「どういうこと!?」
 私が怒りの咆哮を上げているのをきいて、その場に立ちすくんでいた聖女たちの内の1人、金髪のお下げのミアがえへっと笑った。
 「あの・・きちゃった」
 マジですか!
 私は、はぁっとため息を盛らした。
 精霊さんたちに抗議したい思いでいっぱいだ!
 「帰って!」
 私は、王都の方角を指差すと聖女たちに無慈悲に告げた。
 「さっさと神殿に帰りなさい!」
 「それは、イヤ!」
 黒髪の女の子が叫んだ。
 「もう、私たち、神殿には帰りたくない!」
 「そんなこと言っても・・」
 私は、頭を抱えていた。
 こんな連中をどうしろっていうんだよ?
 「みんな、神殿に帰りたくないんだろう?」
 エリクさんが私の肩にそっと手を置いた。
 「なら、しばらくこの『ヴェータ』沼に住んでもらったらいいだろう」
 そうなんですか?
 私は、イヤだったがエリクさんの言葉には逆らえない。
 しかたなく10人の聖女たちをルシアさんに任せることにした。
 ルシアさんは、聖女たちをエリクさんの屋敷の空いた部屋に割り振った。
 こうして思いがけずにも11人の聖女たちが『ヴェータ』沼のエリクさん家で共同生活を送ることになったのだった。
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