167 / 170
13 聖女の行進
13ー10 戻れないのだろう
しおりを挟む
13ー10 戻れないのだろう
もう1つ、変化したことがある。
それは、度々、ライアットが『ヴェータ』沼を訪れるようになったことだった。
ライアットは、王太子のくせにアポもなく私のもとにやってきては、お茶を飲みながらうだうだと世間話をしていく。
まったくうっとおしい。
イケメンなのが唯一の救いだ。
なんか知らないが、記憶を失う前の私と婚約していたとかいってるが、そんなものまったく覚えもないので困惑するばかり。
まあ、ライアットは、イケメンなので悪い気はしないが、王族とかかわり合いになるのはごめんだ。
そういうとライアットは、ふっと微笑んだ。
「私は、気が長いので。あなたの気が変わるまでいつまでもお待ちします」
いや!
気なんか変わらないし!
待ってられても困るし!
ライアットは、私の記憶をどうにかして戻せないかと私を『聖女の診療所』に連れていったりしたが、私にはわかっていた。
私の失った記憶は、決して戻ることはない。
ルキエルは、何も語ることはないがそれは、私には、よくわかっていた。
他の聖女たちによると天使の力を使った対価には、いろいろなものがあるらしい。
ミアの天使は、ミアの望みを叶える対価にミアの髪を10センチほど短くする。
それぐらいなら、と思うのだが、ミアは、死ぬほどイヤなのだという。
「私、思うのですが、天使は、その力を乱用されないためにその聖女がもっとも嫌がるものを対価に選ぶのではないでしょうか」
ミアがなんだか穿ったことを言うので私は、ちょっと考え込んでしまう。
「でも、それじゃ、なんのための天使?」
私が問うとミアは、答えた。
「きっと、天使は、聖女のお目付け役兼警備みたいなものなんじゃ。聖女が暴走したり、誤った方向に進もうとするのを防ぐためにいるのでは?」
なるほど。
私は、ルキエルに答え合わせを要求したがルキエルは、答えなかった。
この『ヴェータ』沼にいる11人の聖女は、みな、この世界に召喚された者たちだ。
中には、もとの世界に戻ることを諦められない者も何人かいる。
私は、ルキエルに訊ねた。
「私たちは、もとの世界に戻れる?」
だが、ルキエルは、答えなかった。
私は、おそらく私たちは、もとの世界には、戻れないのだろうと直感していた。
もう1つ、変化したことがある。
それは、度々、ライアットが『ヴェータ』沼を訪れるようになったことだった。
ライアットは、王太子のくせにアポもなく私のもとにやってきては、お茶を飲みながらうだうだと世間話をしていく。
まったくうっとおしい。
イケメンなのが唯一の救いだ。
なんか知らないが、記憶を失う前の私と婚約していたとかいってるが、そんなものまったく覚えもないので困惑するばかり。
まあ、ライアットは、イケメンなので悪い気はしないが、王族とかかわり合いになるのはごめんだ。
そういうとライアットは、ふっと微笑んだ。
「私は、気が長いので。あなたの気が変わるまでいつまでもお待ちします」
いや!
気なんか変わらないし!
待ってられても困るし!
ライアットは、私の記憶をどうにかして戻せないかと私を『聖女の診療所』に連れていったりしたが、私にはわかっていた。
私の失った記憶は、決して戻ることはない。
ルキエルは、何も語ることはないがそれは、私には、よくわかっていた。
他の聖女たちによると天使の力を使った対価には、いろいろなものがあるらしい。
ミアの天使は、ミアの望みを叶える対価にミアの髪を10センチほど短くする。
それぐらいなら、と思うのだが、ミアは、死ぬほどイヤなのだという。
「私、思うのですが、天使は、その力を乱用されないためにその聖女がもっとも嫌がるものを対価に選ぶのではないでしょうか」
ミアがなんだか穿ったことを言うので私は、ちょっと考え込んでしまう。
「でも、それじゃ、なんのための天使?」
私が問うとミアは、答えた。
「きっと、天使は、聖女のお目付け役兼警備みたいなものなんじゃ。聖女が暴走したり、誤った方向に進もうとするのを防ぐためにいるのでは?」
なるほど。
私は、ルキエルに答え合わせを要求したがルキエルは、答えなかった。
この『ヴェータ』沼にいる11人の聖女は、みな、この世界に召喚された者たちだ。
中には、もとの世界に戻ることを諦められない者も何人かいる。
私は、ルキエルに訊ねた。
「私たちは、もとの世界に戻れる?」
だが、ルキエルは、答えなかった。
私は、おそらく私たちは、もとの世界には、戻れないのだろうと直感していた。
12
あなたにおすすめの小説
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
前世で孵した竜の卵~幼竜が竜王になって迎えに来ました~
高遠すばる
恋愛
エリナには前世の記憶がある。
先代竜王の「仮の伴侶」であり、人間貴族であった「エリスティナ」の記憶。
先代竜王に真の番が現れてからは虐げられる日々、その末に追放され、非業の死を遂げたエリスティナ。
普通の平民に生まれ変わったエリスティナ、改めエリナは強く心に決めている。
「もう二度と、竜種とかかわらないで生きていこう!」
たったひとつ、心残りは前世で捨てられていた卵から孵ったはちみつ色の髪をした竜種の雛のこと。クリスと名付け、かわいがっていたその少年のことだけが忘れられない。
そんなある日、エリナのもとへ、今代竜王の遣いがやってくる。
はちみつ色の髪をした竜王曰く。
「あなたが、僕の運命の番だからです。エリナ。愛しいひと」
番なんてもうこりごり、そんなエリナとエリナを一身に愛する竜王のラブロマンス・ファンタジー!
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる