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8 魔王の降臨とマリージアの奇跡

8ー7 ダンジョン攻略に行くぞ!

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 8ー7 ダンジョン攻略に行くぞ!

 「じゃあ、もう、ライディアたちのこと諦めるのか?」
 俺は、オルティスに訊ねた。
 オルティスは、頭を振った。
 「いえ。私とその仲間たちは、ライディア様たちが処刑される予定の広場へと連れていかれる途中で救いだすつもりなのです」
 マジですか?
 俺は、なんとなくその計画には乗る気がしなかった。
 「もし、助け出せなかったらどうするんだ?」
 「そのときは」
 オルティスが答えた。
 「みな、命を捨てても勇者とあの恥知らずのラダス男爵を殺します」
 はい?
 俺は、ぎょっとなってしまった。
 いやいやいや。
 そんなことしても無駄死にしちゃうことになるんじゃね?
 俺は、少し考えてからオルティスに告げた。
 「俺は、ダンジョンを攻略することにする」
 「あのダンジョンを、でございますか?」
 オルティスが今度は、ぎょっとした表情を浮かべた。
 「いや、それは、およしになったほうがようございます。いくらクロージャー様でもあれを攻略するのは無理でございましょう」
 「誰が1人で行くって言った?」
 俺は、にっと笑った。
 「友達と一緒に攻略してみせるよ」
 オルティスは、それでも俺を止めようとしたが、俺は、気にせずにライドウの家へと転移した。
 急に現れた俺にオウラが声をあげた。
 「婿殿!?」
 「リリウスたちはいるか?」
 俺は、家の奥へと入っていきながらみんなに向かって告げた。
 「これからダンジョンを攻略しに行くぞ!」
 「はぁ?」
 俺の声をきいて出てきたリリウスたちが呆気に取られている。
 「ダンジョン攻略するって?」
 「マジでか?」
 ロナードがきいた。
 「なんでまた、そんな話しになってるんだ?」
 俺は、みんなを集めて事情を話した。
 ライディアたちが囚われているラダクリフ辺境伯の屋敷の地下が勇者の呪いで迷宮になってしまっていること。
 これを明後日の朝までに攻略しなくては二人をたすけられないこと。
 「そういうことで、俺は、これからダンジョンの攻略に行こうと思う」
 「なるほど」
 サハロフとスクルドが頷いた。
 「ぜひ、我々も協力させてほしい」
 俺たちは、二組に分かれてそれぞれパーティーを組んで迷宮にもぐることにした。
 まずは、俺とリリウスとエディットとロナードの組。
 そして、オウラとサハロフ、スクルドとルウシエの組。
 「どちらかが明後日の朝までにダンジョンを攻略するんだ!」
 俺は、みんなに告げた。
 「そして、ライディアとラダクリフ辺境伯を救いだす!」
 
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