異世界に転生したもののトカゲでしたが、進化の実を食べて魔王になりました。

トモモト ヨシユキ

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8 魔王の降臨とマリージアの奇跡

8ー12 白狼

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 8ー12 白狼

 『急ごう』
 白狼は、俺たちを自分の背に乗るようにと促した。
 俺たちは、白狼のもふもふの背によじ登るとしがみついた。
 白狼は、俺たちが全員乗ったことを確認すると駆け出した。
 すごい速さで回りの風景が吹き飛んでいく。
 俺たちは、白狼の毛並みの中に身を伏せて風圧から身を守った。
 白狼たちは、飛ぶように草原を駆け抜けていく。
 草原をすぎ、ごつごつした岩が転がる荒野を駆けていく。
 白狼は、いくつもの山や谷を駆け、いつしか山の頂へとたどり着いていた。
 そこには、傾きかけた石の柱が建ち並んでいた。
 「神殿?」
 『ただの廃墟のようなものだろうな』
 白狼は答え降りるようにと命じてから俺たちをその廃墟の中へと導いた。
 そこには、転移用の魔方陣があった。
 『これは、次の階層へと転移するためのものだ』
 白狼は、俺に話しかける。
 『次の階層のことはよくわからない。だが、お前に何かがあれば私たちみなが困る。なので私も一緒に行こう』
 マジですか?
 俺がリリウスたちにそのことを告げるとリリウスたちは、妙に感心した様子で白狼と俺を見つめた。
 「さすがは、クロだな。フェンリルだけじゃなく白狼まで従属させるとは」
 リリウスの言葉に白狼が嫌そうな顔をする。
 『別に従属しているわけではないぞ』
 俺は、頷く。
 うん。
 白狼が自らついてきているだけであって、俺がすごい訳じゃねぇし。
 俺は、はぁっとため息をつき白狼を横目で見る。
 こいつを人間に戻さなくてはならないのだが、まったく誰なのかもわからない。
 どうやら白狼が話をできるのは俺だけのようだ。
 他の狼たちは、俺とすら話せないようだしな。
 ということは、他の狼たちからこいつのことをきくこともできないということだった。
 どうしたものか。
 いつまでもここで悩んでいるわけにはいかないので俺たちは、先に進むことにした。
 俺たちがみな転移用の魔方陣の中に入ると魔方陣が光った。
 俺たちの周囲の空間がきらきらと輝きだす。
 ぐん、と押し上げられるような感覚があって、俺たちは、次の階層へと転移した。

 
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