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1 異世界に来ちゃいました。
1-6 健康で清らかな体ですか?
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1ー6 健康で清らかな体ですか?
「その、聖母様ってやつ、やめてくれない?」
俺が言うと、男は、顔も上げることなくきいた。
「では、なんとお呼びすればよろしいでしょうか?」
「連太郎、尾上 連太郎、ていうんだよ、俺は」
「オガミ・・レン?」
男は、不思議そうな表情で俺を見つめた。
「レンタロウ」
「そうだよ」
俺は、ぷいっと横を向いた。
その男は、噛み締めるように何度も俺の名前を呟いていたが、やがて、俺に言った。
「私は、イーサン。イーサン・ペンデルトンです。あなたが王妃となられるまでの間、お世話をさせていただくことになる者です」
はい?
「ちょっとマッテクダサイ」
俺は、イーサンとやらに訊ねた。
「その王妃というのは、なんだ?」
「あなたは、将来、この国の国母となられるお方ですから」
イーサンは、当然のことのように言ってくれた。
俺は、まさしく寝耳に水だった。
「冗談だよな?俺は、見ての通り男、だぜ」
「わかっております」
イーサンは、生真面目そうな顔をして俺を見つめた。
「あなたは、異世界より召喚された聖母様なのです」
「聖母って?どういうことだ?」
俺は、イーサンにきいた。
イーサンは、少し考えてから答えた。
「正確には、あなたは、乳父となられるわけですが」
「うふ?」
なんじゃ、そりゃ?
俺が聞き返すと、イーサンは、説明してくれた。
「乳父です。乳をやる仮の親のことです」
ええっ?
俺は、余計に訳がわからなくなっていた。
「乳をやる仮の親って、なんのことだよ?」
「だから」
イーサンは、繰り返し辛抱強く説明をした。
「赤ん坊に乳をやる仮親のことです」
イーサンは俺に事情を話した。
「この世界は、1人の神子によって守られてきたのです」
イーサンによると、この世界、グリームフィヨルドは、天界と人界とを繋ぐ神子の力によって平穏が保たれているのだという。
だが、神子は、数百年に1度、死んで生まれ変わる。
「つい数日前に、神子は、お隠れになられました。そして、今日にでも神子は、新しくお生まれになるのです。しかし、その神子がご自分でこの世界より生命の素であるマナを得られるようになるまでの間、乳父がマナを与えねばなりません」
「マナ?」
俺は、イーサンにきいた。
「マナって、なんだよ?」
「それは、乳のことです」
乳?
俺は、目が点になっていた。
「乳?そんなもん、出るわけがねぇし」
「いえ」
イーサンがにっこりと笑った。
「大丈夫。心配しないで。昨夜、あなたがお休みになっている間に、失礼ですが、一通りあなたのお体を調べさせていただきました。結果、間違いなく、あなたは、聖母様であることが証明されました」
「俺が寝ている間に体を調べたって?」
俺は、ぎろっとイーサンを睨み付けた。
イーサンは、平然として答えた。
「ご心配なく。その玉体を傷つけるようなことはいたしておりません。ただ、マナの量とそれと、その・・」
イーサンの白い頬が赤くなった。
はい?
俺は、頬を染めるイーサンを見て、顔が火照ってくるのを感じた。
マジですか?
「な、何したんだよ?」
「いえ、ただ、健康で清らかな体であることを証明させていただいただけです」
「嘘つけ!何、赤くなってんだよ!」
信じられねぇ!
俺は、じりじりと後ろに下がった。
こいつら、真性の変態、だ!
「その、聖母様ってやつ、やめてくれない?」
俺が言うと、男は、顔も上げることなくきいた。
「では、なんとお呼びすればよろしいでしょうか?」
「連太郎、尾上 連太郎、ていうんだよ、俺は」
「オガミ・・レン?」
男は、不思議そうな表情で俺を見つめた。
「レンタロウ」
「そうだよ」
俺は、ぷいっと横を向いた。
その男は、噛み締めるように何度も俺の名前を呟いていたが、やがて、俺に言った。
「私は、イーサン。イーサン・ペンデルトンです。あなたが王妃となられるまでの間、お世話をさせていただくことになる者です」
はい?
「ちょっとマッテクダサイ」
俺は、イーサンとやらに訊ねた。
「その王妃というのは、なんだ?」
「あなたは、将来、この国の国母となられるお方ですから」
イーサンは、当然のことのように言ってくれた。
俺は、まさしく寝耳に水だった。
「冗談だよな?俺は、見ての通り男、だぜ」
「わかっております」
イーサンは、生真面目そうな顔をして俺を見つめた。
「あなたは、異世界より召喚された聖母様なのです」
「聖母って?どういうことだ?」
俺は、イーサンにきいた。
イーサンは、少し考えてから答えた。
「正確には、あなたは、乳父となられるわけですが」
「うふ?」
なんじゃ、そりゃ?
俺が聞き返すと、イーサンは、説明してくれた。
「乳父です。乳をやる仮の親のことです」
ええっ?
俺は、余計に訳がわからなくなっていた。
「乳をやる仮の親って、なんのことだよ?」
「だから」
イーサンは、繰り返し辛抱強く説明をした。
「赤ん坊に乳をやる仮親のことです」
イーサンは俺に事情を話した。
「この世界は、1人の神子によって守られてきたのです」
イーサンによると、この世界、グリームフィヨルドは、天界と人界とを繋ぐ神子の力によって平穏が保たれているのだという。
だが、神子は、数百年に1度、死んで生まれ変わる。
「つい数日前に、神子は、お隠れになられました。そして、今日にでも神子は、新しくお生まれになるのです。しかし、その神子がご自分でこの世界より生命の素であるマナを得られるようになるまでの間、乳父がマナを与えねばなりません」
「マナ?」
俺は、イーサンにきいた。
「マナって、なんだよ?」
「それは、乳のことです」
乳?
俺は、目が点になっていた。
「乳?そんなもん、出るわけがねぇし」
「いえ」
イーサンがにっこりと笑った。
「大丈夫。心配しないで。昨夜、あなたがお休みになっている間に、失礼ですが、一通りあなたのお体を調べさせていただきました。結果、間違いなく、あなたは、聖母様であることが証明されました」
「俺が寝ている間に体を調べたって?」
俺は、ぎろっとイーサンを睨み付けた。
イーサンは、平然として答えた。
「ご心配なく。その玉体を傷つけるようなことはいたしておりません。ただ、マナの量とそれと、その・・」
イーサンの白い頬が赤くなった。
はい?
俺は、頬を染めるイーサンを見て、顔が火照ってくるのを感じた。
マジですか?
「な、何したんだよ?」
「いえ、ただ、健康で清らかな体であることを証明させていただいただけです」
「嘘つけ!何、赤くなってんだよ!」
信じられねぇ!
俺は、じりじりと後ろに下がった。
こいつら、真性の変態、だ!
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