異世界召喚されたら神子の乳父になりました。もれなく国王の妃となる予定らしいです。

トモモト ヨシユキ

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9 本当の夫婦になりました。

9-3 ありのままで

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              9ー3  ありのままで

   夕方になって辺りが薄暗くなる頃、アメリは、家に帰ってきた。
    「ただいま!」
     俺は、ぱんぱん、と自分の頬を叩いて気合いを入れた。
    やるぞ!
    俺は、やってやる!
    部屋で待っているとアメリが駆けてくる足音が聞こえて、俺は、くすっと思わず笑っていた。
    アメリ。
   かわいくて、かわいくて。
   俺の弟みたいな、アメリ。
   大きくなってからは、少し、怖いと思ったこともあったけど、いつも優しい、いい子だ。
    俺の。
    大好きなアメリ。
    俺は、深呼吸をした。
    アメリは、俺の部屋へとやって来るといつものようにノックもせずにドアを開けて、そして。
    「レン!ただい、ま・・」
     なぜか、アメリは、フリーズしていた。
   俺も、アメリが動きを止めてしまったのでどうしたらいいのかわからなくなった。
    えっと。
    俺たちは、じっと見つめあったまま長い沈黙が流れた。
   「あ、の・・」
     俺は、思いきって震える声でアメリに話しかけた。
   「おかえりなさい、アメリ」
   「うん」
      アメリは、頷くと俺にきいた。
    「どうしたの?レン。その格好」
     うん?
     俺は、裸にレースのエプロンをまとってアメリの足元に正座してアメリを見上げていた。
     「え、っと、あの・・お風呂にする?ご飯にする?それとも・・その・・お、れ、にする?」
    「レン?」
     俺は、アメリに呼ばれて顔をあげた。
    すると、アメリは、俺の顔を見て吹き出した。
   「レン、その顔、どうしたの?」
    「えっ?」
     俺は、アリストリアさんの監修のもとがんばってメイクしていたのだ。
    目は、パッチリと、頬は、恥じらいに赤く染めて、唇は、情熱を秘めた赤で。
    「へ、変、かな?」
     「うん、変」
     アメリは笑いながら答えた。
    俺は、舌打ちした。
    何が、
   「これでアメリちゃんもメロメロよぉ」
    だ!
     嘘つき!
    「俺、ちょっと顔を洗ってくる!」
    俺は、立ち上がると風呂場へと向かおうとした。
   が、アメリは、俺の腕を掴んで抱き寄せると俺の頬にキスをした。
   ほわっと暖かくなって、アメリが生活魔法を使ったことがわかった。
   「レンは、いつものレンの方がいいよ」
    「マジで?」
    俺が、おどおどときくと、アメリは頷いた。
   「うん」
    
    
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