妹の身代りに生け贄にされたんだけどガチでマジ恋しちゃいました~世界にただ1人の男Ωは、邪神の激愛に絆される~

トモモト ヨシユキ

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3 帰ってきた男

3ー2 夜営

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 3ー2 夜営

 「僕は、マクシア・フォルム・グライディン。このグライドル王国の第2王子です」
 僕たちは、村で1番大きな家に案内された。
 それは村長の家だった。
 村長は、中年の痩せたおじさんでクライドと名乗った。
 「たしか、マクシア王子は、魔境にある邪神の神殿に生け贄として捧げられたと聞きましたが?」
 「それが・・」
 僕は、これまでのことをかいつまんで話した。
 「つまり、生け贄になられたが邪神に殺されることはなかった、と?」
 クライドさんが眉をひそめる。
 「そんなことがあるんでしょうか?」
 いや!
 実際にあったわけだし!
 僕は、ロナがイライラしていることに気付いていた。
 だから、クライドさんにどこかで休ませてほしいとお願いすることにした。
 クライドさんは、当然、いい顔はしない。
 「あんな獣を連れているのはなぜです?」
 クライドさんに問われて僕は、言葉に詰まった。
 「あれ、は・・・」
 「あれは、マクシア様の飼っていた魔獣です!主人恋しさについてきたのです!」
 ロナが割り込んでくる。
 「マクシア様の身柄については王都に問い合わせていただけたら間違いありませんから!」
 「王都には、すでに使いを出しました」
 クライドさんは、僕たちを村の外れにある空き家へと案内してくれた。
 「こちらでお休みください」
 そこは、どう見ても小さな掘っ立て小屋で。
 ロナは、顔を上気させて怒りを隠そうともしない。
 「マクシア様にこのような場所で休め、と?」
 「不服なら村を出ていてもらってもかまいませんが」
 クライドさんと睨みあうロナ。
 僕は、2人の間に割り込む。
 「ロナ、いきなり来た僕たちを休ませてくれるだけでもありがたいんだから」
 「でも、マクシア様!」
 僕は、まだ怒りがおさまらないロナを引っ張って小屋へと向かった。
 後ろからヴェルデものそりとついてくる。
 もう夜遅かったから村の中とはいえ真っ暗で僕らは、暗闇の中をロナが灯した魔法の明かりを頼りに足早に歩いていった。
 それにしても小さな村だ。
 魔境の近くということもあってか、どうやら貧しい村なのだろう。
 小屋の中は、狭くて家具もなかった。
 僕は、ロナに小屋の中で休むようにと命じた。
 だって、ヴェルデは、大きすぎて中に入れないし!
 ヴェルデを1人だけ外で過ごさせたくはなかった。
 僕は、外に出るとヴェルデはもう地面に横になって眠っていた。
 ヴェルデを起こさないようにその毛並みの中に潜り込む。
 「おやすみ、ヴェルデ」
 僕が囁くとヴェルデが微かに身じろぎするのがわかった。
 ヴェルデの暖かな毛並みに包まれて僕は、目を閉じた。
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