妹の身代りに生け贄にされたんだけどガチでマジ恋しちゃいました~世界にただ1人の男Ωは、邪神の激愛に絆される~

トモモト ヨシユキ

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4 辺境スローライフ(誘拐編)

4ー3 風呂

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 4ー3 風呂

 僕は、その日の夕食の片付けが終わると風呂の準備をロナにお願いした。
 いくら村長の家とはいっても風呂なんてついてない。
 だから僕としてはお湯を用意してもらうだけでもかまわなかった。
 でも、ロナは、村長の屋敷の外に湯船を用意してくれた。
 というのも家に入らなかったから。
 村長の家の周囲にある木立の中に湯船にお湯をはったものを用意して周囲を布でおおって浴室代わりにしていた。
 「ごゆっくりされてくださいませ、マクシア様」
 ロナは、ルドーさんから手に入れた剣を手に僕に微笑んだ。
 「ここは、ロナが死守いたしますから!」
 怖い!
 怖すぎるって!
 というか、そんな危険があるとは思えないし!
 「そこまでしなくっても」
 「いいえ!」
 ロナが僕に告げた。
 「マクシア様の魅力の前にはどのような者も抗うことなどできませんから!」
 「考えすぎだよ、ロナ」
 僕は、笑った。
 「僕、騎士団ではみんなと一緒に風呂を使ってたんだよ?」
 まあ、クーリアスにはいろいろ苛められたけど、他の人には何もされなかったし!
 「ロナもちょっと気を楽にして。くつろいで欲しいし」
 「わかりました」
 ロナがしゅんとしている?
 「ここの警備はルドーさんの護衛の冒険者に任せます」
 ルドーさんの護衛の冒険者は、いかつい顔をした大男で顔に傷があることから『スカーフェイス』と呼ばれていた。
 「では、警護よろしくお願いします」
 僕は、『スカーフェイス』にぺこりとお辞儀をしてから天幕の中に入った。
 そこには猫足の浴槽に熱いお湯をはった風呂が用意されていた。
 宵闇の中で蝋燭の明かりが揺らいで幻想的だ。
 久しぶりの風呂に僕の頬が緩む。
 僕は、ちょっとお湯に手を入れてその心地よさにふるっと震えた。
 まともな風呂なんてヴェルデの神殿に行ってからは入っていなかったので僕は、嬉しくて急いで服を脱いで体を流した。
 「んっ!」
 お湯の心地よさに思わず声が出る。
 僕は、置かれていた石鹸を泡立てるとそれで体を洗ってお湯に浸かる。
 「ふぅっ・・・」
 気持ちよくて意識がぼうっとする。
 僕は、お湯に浸かって目を閉じる。
 いろいろあった。
 ラディニアたちにはめられて王都を追われて。
 邪神の神殿に生け贄として行ったときは、もう、死を覚悟していた。
 でも。
 なぜか邪神は僕を殺さなかった。
 名前を持たなかった邪神に『ヴェルデ』という名を与えて番になって。
 僕は、そっと項に触れてみる。
 そこは、まだ噛み跡が癒えてなくてつきん、と痛みが走った。
 「ヴェルデ・・・」
 僕は、お湯の中でヴェルデのことを思って体全体が火照るのを感じていた。
 
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