人違いです。

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底なし沼にて

97.

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 王城の敷地内にある、時計塔の上に立った。

 あたたかい季節がやってきたとはいえ、相変わらず夜は冷える。俺は白い息をゆっくり吐き、空を見上げた。星1つない澱んだ夜空は、今も何処かで絶えず上がっている炎の光に照らされ、時折夕日のように朱色に染まる。
 ロサの街を彩る魔具灯が明るいから、星が見えないのか。俺が、星を愛する人の心を失ってしまったのか。ーーついぞ、分からず。

 ドォン、ドォン、と遠くから響く音に、そっと耳を澄ませる。ピカリ、と爆光が輝いた少し後に着いてくるように聞こえる音は、現場が此処王城から程遠い事を示していた。
 結局、遠方での悲劇に人は無関心だ。俺は眼下に広がる広場を侍女達が早足で歩く姿を目に留め、嘲笑を零す。彼女等は、爆音にただ迷惑そうに眉を顰めるだけで、そこで人が今命の灯火を消している事など想像もしないのだ。それが、人間の当たり前の姿だ。


【繝ャ繝シ繝阪?】【繝ャ繝シ繝阪?】【逍イ繧後◆縺ョ?】【逍イ繧後◆縺ョ?】

 
 ざぁあ、と風が一際強く吹いて、俺の身体を包み込む。優しく、けれど何処か楽しむような彼等の美しい【声】は、彼等がどうしようもなく人とは遠い存在である事を知らしめていて。


【繝ャ繝シ繝崎セ帙>縺ョ?】【謔イ縺励>縺ョ?】【蛯キ莉倥¥繝ャ繝シ繝阪b蜿ッ諢帙>】【蜿ッ諢帙>縺ュ】
「『……酷いですねぇ』」
【螟ァ螂ス縺阪□繧茨シ】【譛ャ蠖薙□繧医?】
「『そう言えばいいと思ってるでしょう……嬉しいですけれど』」


 都合のいい間男のような物言いに思わず苦笑する。すると彼等もまた楽しそうにざわざわと揺れた。それでも否定しない辺り、お察しである。
 大いなる魔力が起こす自然現象の1つである風に愛されるという光栄な事実には感謝してやまないがーー同時に、ズキズキと胸の奥が軋むような感覚がして、片手で心臓部分を抑えた。震える息を吐いて、目を伏せる。


 覚悟なんて、いくら決めても足りなかった。
 走馬灯のように楽しかった幸せだった日々を思い出しては、物語の終幕を恐れて。培ってきたもの全てが無に帰す明日に怯えて。なんで自分ばかり、なんて自分勝手な思いが込み上げてきては、隠すように無理やり潰してきた。
 

「……どうすれば良かったのかなぁ」
【繝ャ繝シ繝阪′繧灘シオ縺」縺溘h】【蛛峨>繧茨シ】
「『はは、……ありがとうございます』」 


 数々の称賛の【声】があまりにも後ろめたくて、俺は下唇を噛んで俯く。そして胸に飾られた『第3部隊隊長』を表す勲章が虚しく輝くのを見つめ、自嘲的に微笑んだ。結局の身分だったなぁ。後任は、誰になるのだろうか。アリアがいいな。きっと格好良い。
 また、ぶるりと体が震えた。あぁ、なんて寒い。明日ーー明後日にはもう、自分がいない物語が始まっていくのだ。

 ずっと、爆発が起こっている。何となく重たい視線を上げると、土魔法によって大地が異様に隆起しているのが遠くの方に見えた。直後ぐらりと地面が揺れ、次いでドォン、ドォン、と大きな音が響く。あぁ、自国の民同士が己の信念と未来を賭けて戦っているのだ。なんて虚しい。
 本当に戦うべき敵は、ヘイデル王国なんじゃなかったのか。そんな事、今この瞬間に必死で最早誰もが忘れているのだろうな。


「……」


 この光景が、俺の努力の結果だと言うのなら。
 そんなものに、何の意味があったのだろう。

 ずっと過程にこそ意味があるのだと部下に言い聞かせてきた。結果が伴わなくとも頑張っていれば、少なくとも偉いのだと。
 だけど、それも結局は自分の惨めで愚かな人生を慰める為の言い訳になってしまった。だらりと垂れ下がった両手をぎちぎちと八つ当たりのように握る。

【死ね】【殺せ】【赦さない】
【生きろ】【大丈夫だ】【そばに居る】

 交錯するように絡み合う言葉が、左右から俺の鼓膜を何度も揺らして。耳鳴りにも似たそれに俺の瞳が濁るのを視た風が、不安げに俺の髪を撫で、さざめいた。それに特に返答することも無く、俺はただ空を見上げて。
 夜空は時折真っ赤に染まり、また黒く塗り潰されてを繰り返している。

 ーーこれもまた、1つの美しさなのかもしれない。なんて。

 今日此処に来たのも、夜空を見られるのが最後だと思ったからだ。美しい星空はついぞ見られなかったけれど、せめて最後に夜空を楽しむ暇が欲しくて、第1部隊隊長に空が最も綺麗に見れる場所を聞いたのだ。


『ーー第1部隊隊長、空が綺麗に見られる場所は何処でしょう』
『……時計塔だな』


 彼は特に咎めるでもなく、ただ真っ直ぐに時計塔を指差して教えてくれた。しかしその手には抜き身の剣が握られていて。先を覗けば、彼の背後には点々と剣から滴り落ちた鮮血の雫が続いていてーーああ、また人が死んだのだと。
 もうすっかり慣れてしまった自分が醜くて呪わしくて仕方がない。
 
 今や、革命をたった1日持ち堪える事も出来ない程に、保守派の戦闘要員は減ってしまった。加えて団長と第1部隊隊長はほぼ間違いなく陛下とイリアス様のそばを離れないだろうから、戦力に数える事はできない。つまりは、俺が保守派の最高戦力だ。
 けれど、その俺はこんな有様。身体は薬の過剰摂取によってボロボロで、食物も満足に食べられなくて筋肉も落ちた。そんな俺が、最高戦力。笑ってしまう。

 そういえば明日、革命軍達が攻め入ってくる事を伝え忘れていたなぁ。……なんて白々しい。ただただ己の戦いに必要なものだけを集めた俺は、最早忠義の騎士とも言えないのかもしれない。ーーでも「言え」と言われなかったので。
 きっと、陛下や団長は激怒なさるだろうな。そして俺を詰るのだろう。

 びき、びき、と胸が痛む。
 俺はもうその事は考えないようにかぶりを降って、ぼんやりとロサの荒れた街並みを眺めた。


「…………罪が罪なら、」


 1人殺しで10年。2人殺しで15年。3人殺しで20年。
 10人殺しで奴隷堕ち。20人殺しで動力源。

 それ以上はーー


「英雄としての栄誉か……極悪人としての斬首か」


 俺が殺したのは、その限りではない。『物語の中の英雄』になりたいと願って、それが叶わないのならばせめて後世に語り継がれるような忠義の騎士になりたいと目指して。
 結局の所手に入れる肩書きは、『国を陥れた大罪人』。楽には死ねないだろう。

 例えば捕まって檻に入れられて、ひたすら暴力の限りを尽くされて。尊厳も矜恃も奪われる行為を強いられて、それすらも為せない程使い古されれば、市中引き回しの末に断頭台で殺されるのだ。それが、俺の忠義の終幕なのだ。
 黒い染料で塗り潰されたような空を見上げ、声を上げて嗤う。表情筋は、動かないけれど。


「ーーなんっだそれ」


 なんて、下らない物語だ。契約に縛られて、逆らえないまま人を殺して最終的には殺される。そんなつまらない物語が、この俺の人生だって?

 いつから、俺はこんなに自虐ばかり言うようになったんだ。


「違うだろ。俺がーーこの俺が、歴史の一部分を担うんだろ」


 あはは、そうだ。俺が明日創りあげる惨劇が、歴史となってこの国を支えていくのだ。俺が悪逆非道の騎士として語り継がれる歴史が、フィオーレ王国の栄光を飾っていくんだろう。ならば、目標だって、叶うだろ。それで良いんだろ。

 胸を抑え、嗤う。声を上げて。


 ーーなぁわらえよ。おれ。


「……ッッ、っ、っ…!!」


 ドォン、ーー、ドォン、ーー


 これも、崩壊の音だ。そして、はじまりの。



【繝ャ繝シ繝崎セ帙>?】【豁サ縺ォ縺溘>?】
「『……』さぁ……どうなんでしょう。……もう自分でもよく分かりません」


 好奇心と心配が綯い交ぜになったような風が吹く。確かに辛い。確かに苦しい。けれど、死にたいのかと言われるとーーもう、早く終わってくれるのならば、それで良いとしか。

 脳内に浮かんだ同情もない出来ない願いに、自嘲的に笑む。しかし、やっぱり口角はピクリとも動いてくれなかった。


 ドォン、!ーードォン、ーー!


 ぐらり、と地面が揺れる。遥か下の大地を蠢く騎士達が不愉快そうによろめくのが微かに見えた。
 俺は何故かそれに酷く退屈な気分になって、重い瞼を閉じる。すると、不規則な爆発音がより大きく伝わってきて、心地好く心臓を揺らして。

 ーー。


『レーネ、』
「ーーーーーー母上」
『レーネ、また遅くまで本を読んでいたのですか?目が冴えてしまうでしょう』


 ごめんなさい。読み出したら、楽しくなってしまって。


『可愛いレーネ。母と旦那様の愛し子。どんな物語を読んだのか、聞かせて頂戴な』
「……うつくしい、くにで、愛される物語を」
『そう、素敵な物語だわ。愛は何よりも美しい魔法ですもの』


 ……そうかなぁ。


『えぇ、きっとレーネにもアンリにも、分かる日が来るわ。母は、旦那様が愛してくれたから、美しく在ることが出来たのです』
 

 俺も、兄上も母上と父上が大好きですよ。


『ふふ、母も旦那様も、この小さな人の身では持て余してしまう程深く、貴方達を愛していますとも。ーー可愛い子、もう夜闇も深いから、お休みしましょう』
「…………眠いけれど、ねむれなくて。ずっと」
『ならば、母が子守唄を詠って差し上げましょうね』


 母様の歌は社交界でも吟遊詩人も腰を抜かす程素晴らしいものだと、俺が小さな頃から評判だった。母様が茶会でご令嬢方に強請られて詠う度、父様が誇らしげに目を細めていた事を覚えている。
 時折、ピクニックに行っては家族皆で、詠いましたね。兄様は母様に似て詩を詠うのが上手で、いつも、俺はそれが楽しみで。俺はーー芸術方面はちょっと駄目だった。あくまでだが。
 

 いつの間にか、凍えるような寒さは消えていた。塔の天井で目を閉じたままバランスを保ち、首元の釦をひとつ外した。途端冷たい風が俺の素肌を撫でる感覚に少しだけびくりと震えてしまって。クスクスと悪戯っぽく嗤う彼らに、俺も苦笑を零す。

 時計塔の下からは第1部隊の騎士達が俺を呼ぶ喧しい声が聞こえる。きっと、何処にもいない俺を探すよう、団長辺りに命令されたのだろう。しかし、今は。


「…………かがやく、ほしに心の夢を」
『祈れば、いつか叶うでしょう
 きらきら星は不思議な力
 あなたの夢を満たすでしょう』
「人は、だれもひとり……哀しいよるを、…すごしてる」


 俺は、多分ずっと、何処か独りぼっちだ。

 そういつしか涙を流した俺に、母様は美しく微笑んでくれて。


『星に祈れば淋しい日々を
 光照らしてくれるでしょう

 ーーレーネ、いつか貴方がどうしようも無く手放せなくなる……傍に置いておきたくなる人が、現れるのよ』


 それは、家族愛とも友愛とも違うーーたった1人の為の、真っ黒で薄汚くて不恰好で。

 けれど、とっても美しくて素晴らしい、愛なのよ。 


「…………………………おうさま」


 ぽろり、と。
 
 小さな小さな雫が、塔の下の闇へと落ちていく。


 星空の輝く、美しい広場の中央で出会った。彼処こそが俺達の出会いだった。嫌々ながらも沢山の事を話して、彼が知的で強くて冷静で、心の美しい純粋な人だと知った。俺の事を知って、助けようとしてくれた。その上で俺の選択を尊重して、応援してくれた。王として、認めてくれた。

 あれが、きっと、『愛』だった。

 今なら、分かるよ。ロバル様のそれともイリアス様のそれもとも、第3部隊の皆のともノアノアのともまた違うーー母様が繰り返していた愛。


 それがたとえ、セレネ・ブライト人違いのいなくなった白い紙へ上塗りされたものだったとしても。


「……俺、好きだったのかなぁ」
『まぁ、素敵だわ。レーネ、貴方恋をしたのね』
「恋……それって愛とはまた、別物ですか」
『違う、という人も、同じ、という人もいらっしゃるわ。ーーけれど、何方も大切なものよ。

 貴方は、その方と一緒にいたかったのでしょう?母はなんでも分かるのよ』


 一緒に。

【レーネ、私はお前だから、愛した】

 一緒に。

【レーネ、私の隣にいろ】

 
 いっしょ、に。



「ーー~~~ッッ、いたかった、なぁ…ッ」


 今更だ。全部捨てて、帰ってきた。今更いまさらいまさら、いまさら、…………

 金の瞳に照らされて。
 漆黒の髪に、護られて。

 そんな国に、生まれたかった。愛されたかった。


 ああ、うるさいよ。俺の物語は明日終わるんだ。今更、こんな感傷になんの意味があるんだ。



 そう雑念を振り払って、空を見上げて。





「ーーーーぇ」


 囁きにもならない、吐息のような声が風に吹かれて消えていく。


 夜空が、輝いている。


 ほしぞらが。


「ーーーーは、ははっ、あは、ッ」


 上空遥か彼方まで、世にも美しい星空が広がっていた。

 見渡す限り一面に輝く星々が時折きらきらと小さな星の雫を大地に落とし、俺達を誘惑する。赤、白、橙、黄、青白、様々に、しかしどれも比べようもない程穢れなく1番に煌めいていた。
 俺は大きく目を見開き、そして、わらった。

 あぁ、これは、ご褒美だ。きっと神が俺に下さったのだ。瞳孔がみるみる開き、身体中から興奮で汗が吹き出し、血が騒ぐ。心が、歓喜に奮い立たされる。


「ッッ…そうだッ俺は頑張ってきたんだ!!ッそうだ!!だって、ーー神が、そう認めて下さった!!!」


 ざわ、ざわり

 ドォン、ーーーードォン、ッ、

【縺碑、堤セ弱′谺イ縺励>縺ョ?】【繝ャ繝シ繝榊ヵ驕斐b縺碑、堤セ弱≠縺偵k繧】

【死ね】【赦さない】【殺す】


 沢山の音も、無数の【声】も、もう何も気にならなかった。だって、俺はもう、この果てしない星空に魅入られてしまったのだから。
 あぁ、もう十分だ。夢は叶った。もういつ死んだっていいさ。

 だって、この星空は、繋がっている。俺と彼は、同じ時世界を生きているのだ。

 満天の星のような笑みを浮かべて夜空に真っ直ぐ両手を伸ばす俺を、何故か【風】が身体にまとわりつくようにして引き止める。それが、酷く鬱陶しく思えてしまって、顔を顰める。
 しかし俺を愛してくれる彼等を無下にすることは出来ないので、俺は泣く泣く空へと踏み出そうとした足を押しとどめた。
 

『……レーネ、何か欲しいものはあるかしら。母と旦那様が貴方にご褒美を上げましょう』


 もはや、迷うべくもない。





「空にーーーーーー!!!!!!」






『まぁ素敵。素敵だわ。まるで夢と理想だけを煮て可愛らしい瓶に詰めたジャムのようで、素敵だわ。



 ーー【蜿カ縺医※縺ゅ£繧九】』


 


 








 

 


 
 




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