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第3話 対峙する美人OL2人

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彩花「ふふ、相変わらず、気が強いわね。あんたをここに呼び出したのは、きっちり決着をつけるためよ」
美緒「はあ?決着?私は、あなたとテニスで勝負する気なんてないわ」
 美緒は、テニスコートを見渡す。
彩花「そんなこと分かってるわよ。あの取っ組み合いの決着よ。この金網で囲まれたコートの中で、あなたの体を思う存分、痛めつけてあげようと思って呼び出したのよ。もう2度と、あたしに逆らえないようにね」
 彩花は、仁王立ちで不敵な笑みを浮かべる。

美緒「ふふふ。どうせそういうことだろうと思ったわ。私も、あなたに仕返しをする日をずっと待っていたの。あのときは邪魔が入ったけど、やっと、あなたをボコボコにできるわ」
 美緒は、会社を辞めた日のことを今でもはっきりと覚えている。彼氏を彩花に奪われたことを知った翌日、会社で彩花と口論になった。
 美緒が彩花にびんたをして、そのまま取っ組み合いの喧嘩になりかけたが、周囲の社員に引き離されてしまった。その日のうちに会社を辞めた美緒が彩花に会うのは、それ以来だった。

彩花「やっぱり、まだ、あのときの失恋をひきずってるのね」
美緒「あなたのような女にひっかかる男に未練はないわ。ただ、泥棒猫のあなたを許せないだけよ」
彩花「残念だけど、あんたは、どれだけ頑張っても私には勝てないわ。覚えてるでしょ、あのときの取っ組み合いも、引き離されたとき、あたしが上になってたのよ。止められなかったら、あんたをボコボコにして2度とあたしに逆らえないようにしてたのに」
美緒「あのときの私とは違うのよ。あなたに勝つために、強くて魅力的な女に変わったんだから」
 美緒も、仁王立ちで胸を張り、正面から彩花に笑みを返す。

彩花「あんたとは、素材が違うんだから、あたしに勝てるわけないでしょ。どれだけ、頑張ったってね。あたしが勝ったら、もう2度とあたしの邪魔をしないこと。いいわね」
美緒「いいわよ、あなたに負けたらきっぱりこの仕事から手を引くわ。その代わり、私が勝ったら、あなたは、この仕事から手を引いて。もう私に2度と逆らえなくなるのよ」
彩花「分かってるわ、万が一、負けたら仕事を辞める覚悟はできてるの。あんたも、謝るなら今のうちよ。このテニスコートは、今日はあたしが貸し切ってあるから誰も来ないわ。ギブアップするまで終わらないわよ」
美緒「望むところよ。これまでの恨みを全部晴らせるいい機会だわ」
彩花「じゃあ、正々堂々とやりましょ」

彩花は、半袖の白いワイシャツにピンクベージュの丈の短いスカートを履いている。白いハイヒールは、かなりの高さだ。

一方、美緒は、半袖の白いワイシャツに薄いブルーベージュスカート。彩花に対抗するかのようにスカートの丈は短い。白っぽいベージュのハイヒールは、彩花とほぼ同じ高さだ。

彩花「芝生を傷つけたらいけないからヒールは脱いでね」
 彩花は、ハイヒールを脱いで、テニスコートの隅に投げ捨てた。
美緒「相変わらず、そういうところの手際はいいわね」
 美緒も、ハイヒールを抜いで、テニスコートの隅に投げる。
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