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魔王死神編

24話 冥王戦

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ファルチェが先に仕掛ける
「待つのだ! ここは我が管理している世界、我が冥王を倒すのだ!」

「あいつはただの冥王じゃねぇだろ」

「たとえ荒魂になっていてもなのだ!」

拳を振るうが弾かれる
「くっ!」
荒魂の体は見た目に反して固く鋼のようだ

「リーデルいいのか?」

「はい、今回はしょうがないっす マキナがそう言ってるなら レゼさんたちには援護をお願いするっす」

「しょうがねぇ・・・レゼ やるぞ!」
ジャッカルを撃つ

「うん」

影鎌を作り、荒魂に振り下ろすが腕で受け止められる
「刃が通らない」

ディーの攻撃は荒魂に傷を付けたが怯む様子はない
「ちっ 動きはそこまで速くねぇが・・・」

荒魂は斧を右、左と振り回す
地面にできたクレーターが攻撃の威力を表している
「ウオオオオ!! コロス アクマ ミナコロス」

ファルチェの全身はドラゴンの鱗で覆われ、龍人のような姿に変身している
魔剣を召喚し何度も斬り付ける、最後は頭を蹴り、地面に倒れこませる
直ぐに立ち上がるが、ダメージが無いわけではなく足元がふらついている 軽い脳振とうを起こしているのだろう、斬り傷からは血が滴っている
よだれを垂らしながら斧を振り上げファルチェに突っ込んで行くが、足に影を引っかけ転ばせる

立ち上がる前にディーが高速で距離を詰め、手足を撃ち抜く
痛みに悶え仰向けになったところ、顔面を何度も殴り地面にめり込ませる

「お前強すぎだな、世界のバランス的に大丈夫なのか?」

「今は荒魂との戦いでリミッターを外しているから大丈夫なのだ」
さらに拳が光り、魔剣が球体状になる か○○め波のようなポーズをして、球体上にした魔剣を放つ

荒魂はゲル状の体を盾のように広げ、防ごうとするが、防ぎきれず直撃する
「ブワァァァアアア!!」

線上に地面がえぐれ、山を三つ突き抜ける
地形が変わる程の威力をもろに食らっては跡形も残らないと思ったが荒魂が居た場所には男の天魔が倒れ、欠片が浮いていた

「我の必殺技、魔剣波で倒したのだ!」
レゼ達に向かってVサインをする
「冥王も元の姿に戻ったようなのだ」

「あのままじゃなかったんだ」

「さすが、神が作りし機械生物人形(マキナ)は敵無しっすね
レゼさん回収お願いするっす」

「うん」
死神の鎌で欠片を砕くと記憶がランタンに集まり始める

「今回もご苦労様っす」

「うむ、ご苦労だったのだ!レゼ達の旅なかなか楽しかったのだぞ!またなのだ」

「おう」

「うん」
転移の時誰かに見送られるのは初めてで不思議な気持ちになる

光が溢れ魔界の景色とファルチェが白く見えなくなる
目を閉じ、開いた時にはもう別の場所になっていた

液晶が部屋のあっちこっちにありキーボードを叩く音が忙しなく鳴り響いている

「いやぁ 待っていたよ君が噂の子だよね!」
青いつなぎに白衣を着た男がベタベタと触ってくる
「もふもふだね!」

「勝手に触るな!」
レゼを男から引き剥がそうとする

「ほぅ こっちの手触りもなかなか・・・」

「なっ!? 何しやがる!や やめろ触るな・・・」
尻尾は弱いみたいで力が抜けてへたり込む

「あいつぜってぇ許さねぇ」 

「怖い 怖い マリア データは取れたかね」

「はい、テオドール様」

「では、よろしく頼んだよ」

「はい」

「フフフ せっかく僕の世界に行くから楽しんでほしいよね
さぁ見たまえこれは僕が特別に作ったチョーカーだよ」
レゼ達に新しく着ける

「何勝手に着けてんだ」

「前と変わってないような」

「チッチッチ 見た目は変わらないが前回よりもパワーアップしているのだよ」
勢いよくローブを剥ぎ取る

「なんとローブの機能を兼ね備えているのだ!
ローブが無くても自動で世界に馴染む外見にしてくれる優れものさ 入浴の時だって問題無く入れるよ」

全身が風の膜に覆われた感覚がする

「それと僕の世界では能力を制限させてもらうよ じゃないとゲームバランスが壊れてしまうからね」

「ゲームバランス?」

「そう、僕の世界はMMORPGを元に創ったからね 世界の住人は本当にゲームの世界にいると思っている
だからって死んでも平気って訳じゃない死ねばアバターは消え、二度と使うことはできないようになっているからリアルな人生と同じで面白いだろう?」

「それで死なねぇ俺たちは都合が悪いって訳か」

「そうゆうこと、まぁ基本ゲームの世界だから気楽にしてくれてかまわないよ」

「へぇ」

「ついでに幻魔石の方もパワーアップさせといたからより世界に違和感なく能力を発動させることができるよ やっぱり僕って天才だな!」

「テオドール様準備が出来ました」

「わかった」

「何の準備ができたんだ?」

「君たちを僕の世界に招待する準備だよ これを見たまえ」
ベッドとフルフェイスヘルメットに似た装置が二組置かれている

「このフルダイブギアを着けることで転移できるんだ」

「これを着けるのか?」

「大丈夫なの?」

「心配いらない いつもの転移と何ら変わらないよただゲーム感を出したかっただけなのさ」

「着けなくてもいいんじゃないのか?」

「それじゃあロマンが無いじゃないか」

「そんなに大事?」

「大事だよ僕は遊戯と創造の神だからねどんな形でも楽しむことに全力さ」

「分かった」

「しょうがねぇ」

ベッドに腰を下ろしフルダイブギアを着ける

「言い忘れてたけど 死なないように 死んだら強制送還になって新しくアバターを作らないといけなくなって面倒だからね」

横になると体がふわふわしてくる

「転移が始まるからリラックスしてくれたまえ」

声が遠くなり闇に包まれる
暫くするとゲームのタイトル画面が現る『フォントムフロンティア』文字と音声でこのゲームの世界観などを説明している

「細かい設定は僕が決めておいたから後で確認するといい
それじゃあ僕の世界を宜しく頼んだよ」

タイトル画面が消え、暗闇が晴れていくとそこには・・・
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