街中の君

飯山 駿平

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第一章

懐かしの

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「今日も雨ですね~。」
「そうだね。」
なんて、たわいもない会話を古井さんとしていた。
今は六月の中旬、梅雨真っ最中である。バイト中なのだが、雨の日のお昼前ということでお客が一人もいない。
「こんな日はトイレにこもって読書でもしていたい気分ですね。」
「瀬流くん、また何とも言えない例え方するね。」
「そうですか。割と俺は本当にやりたいですよ。」
「瀬流くんてもしかして文学少年?」
「いやいや、漫画オンリーです。」
「なるほど。ま、いいや商品の在庫確認してきてくれる。」
「わかりました。」
そんなこんなで仕事をしていたら夕方になっていた。

テロテロ…
「いらっしゃいまs…」
「あれ?」
「っな…」
そこには聞き覚えのある声と、それに一致する人物が立っていた。
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