街中の君

飯山 駿平

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第一章

落ちぶれ者

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「すみません遅れました!!」
結局あの後自分の力を最大限出して走ったが、限界があった。なにせ俺は運動が得意ではなかった。球技もできなければ足も速くない、一番の欠点は自転車に乗れないことだ。だから、移動手段は歩くしかないのだ。このコンビニを選んだのも一番近いからだ。といっても歩いて十分はかかる。特に田舎ではないのだけれども、マンションから一番近いコンビニがこれだけ遠いと少し不便である。
「遅かったね。今度からは遅れないでくださいね。」
「はいっ。今度から気をつけます。」
「早く着替えてきてね。」
「はい、店長。」
「古井でいいよ。」
「はい、古井さん。」
そう言って俺は着替えるために更衣室に入り着替えた。
「着替え終わりました。」
「じゃあ、レジよろしくね。」
「わかりました。」
今日は月曜日の十時とあって、客は雑誌を立ち読みしてる男性客だけだった。
 しばらくたつと、昼食を求めてOLやら、サラリーマンやらが、やってきて弁当を買っていく。その後はたいてい暇になり在庫確認や、掃除をするのがいつものパターンだ。
「お疲れ様でした。」
午後十時、俺のシフト終わりである。
「お疲れ様、瀬流君。」
「では、お先にしつれいします」
「あぁ、まって、お店の余ったお弁当いる?」
「いいんですか?」
「今日はかなり余ってるからね。むしろ、持って行ってくれたほうがありがたいよ」
「じゃあ、遠慮なくもらっていきます」
「では」
そう言って、お店をでた。
ね?面白味のない1日だったでしょ?
でも俺は気に入っている。うん、気に入ってるよね?きにいっているよ…。気に入っているさ!!
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