街中の君

第一章

出会い

ジャーンジャジャジャーン…
聞こえてくる森のさざめきが…
と想像いながら隣から聞こえてくるラジオ体操に耳を澄まして聞いていた今日この頃。
「ゲームでもするか。」
今日は火曜日、バイト休みである。休みはだいたいゲームをしている。まあ、これが俺にとっては唯一といってもいいほどの娯楽なんだけどね。
カチカチカチカチ…
最近はまっているとあるRPGをプレイしていた。
（そろそろ昼飯にするか…）
と、時計に目をやると一日の四分の三過ぎたところを指していた
「！？」
俺そんなにゲームに夢中になってたか？不思議だよねゲームをしていると、時間って早くすぎるよね。
飯を作るのもめんどくさくなってきたので、バイトしている店に行くことにした。
┃┃┃┃┃┃┃
十分後俺はコンビニの前にいた。何の躊躇もなく店にはいると
「いらっしゃいませ～、って瀬流君じゃないか。買い物かい？」
「はい、そうです。夕食を買いに来ました。」
そんな、平凡な会話をしていると、奥のレジの方から
「いらっしゃいませ」
と、とても透き通っていて細い女の人の声がした。とっさにそっちに目をやるとつやのある栗毛色の肩ぐらいまで伸ばした髪が第一に僕の目を引き寄せた。俺の目にその子の顔が映ると小顔で、鼻、口も小さくかわいかった。そして、なんといっても、目、その目だよ！す、すげぇ…、こんなに目がぱっちりしていてかわいい目の人がいるんだなぁ、と少し（少しどころではない）興奮しながら、語ってしまったが、とにかくその子はそこら変にいる女の子とは段違いにかわいい。大人っぽくもなく、子供っぽくもない、ふつうの子だが、かわいい。そう、かわいいのだ。（ただ、胸は服の上から見る限り小さいかな）などと、変態発言を心の中でしていたが、俺は平常心に戻ってその子に話しかけた。
「こんにちは」
「あ…、ども…、こ、こんにちは」
その子は少しためらって、返事を返した。確かに急に客に話しかけられたら、そりゃびっくりするよな。
　それが俺とその女の子南田由姫との出会いだった。