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第1章 出会い
第2話
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昨日家に帰ってから、俺はずっと考えていた。
俺を目の前にしてもニコニコと笑みを絶やさずにいるこいつが、一体なんで俺なんかに勉強を教える気になったのかを。
俺はこういうやつに教えられるのだけは勘弁してほしいかった。
だが、担任の圧ともあっては、断れば何が起こるか知れたもんじゃなく、結局教えてもらうことになったのだった。
昼休み、購買にでも行こうかと思っていたところに、五十嵐がやって来た。
「......八神くん、早速明日の放課後から勉強しよう!」と偉そうに日程を組んでいる五十嵐。
俺より頭がいいから見下しているのだろうか。
「で、勉強するならどこがいいとか、何かある?」
「別に......。放課後に教室とかでいいんじゃねーの?......」
会話が続かず、気まずい雰囲気だが、五十嵐はテキパキ決めていく。
「分かった。先生には僕から言っておくね。じゃあ、明日から早速始めようか」
「お、おう......」
「じゃあ僕、先生に呼ばれてたから! またねー」
あっ、と俺は五十嵐を引き止めた。
「──ぁ、五十嵐、担任から無理矢理頼まれてるだけだったら、やめね?」
俺が言うと、五十嵐はにっこり笑った。
「全然大丈夫だよ。教えることは、僕も勉強になるし」
本当にこいつとやっていけるだろうか、と俺は一瞬固まってしまった。
勉強を教えてもらえるのは普通にありがたいが、どうしてこいつなんだ? そもそもこいつ、自分から教えるって言い出したのか......?
そんなことを考えながら、ひとまず苦笑いをしておいた。
なんかあいつ、本当に俺に勉強を教える気みたいだしな......。
次の日、俺はいつも通り学校に着き、いつも通りにダチと喋り、一応勉強もする。
いつもと違うのは、放課後だ。あいつに勉強を教えてもらうことになるんだ。
「おはよう、八神くん」
朝あいつから挨拶されたのは忘れることにしよう。
最悪の気分だ。心の中で大きなため息をつき、あからさまな作り笑いで誤魔化した。
放課後.......。
ダチはギャハギャハ笑いながら楽しそうに帰っていく。
──が、俺は今から地獄行きだ。
教室に入ると2つだけ机が向かい合わせになっていて、一方に五十嵐が座っていた。
「座って座って! 早速始めよう、八神くん」
「うぃーっす....」
「じゃあまずこのページから...」
少しぼーっとしていた。あまり聞く気にならなかったからだ。適当な相づちを打って終わらせるつもりだった。
──10分ほど経った。
妙な感覚だった。
何故か授業で聞くより、こいつの説明の方がとてつもなくわかりやすい。
おかしい......。
どんな説明でも俺は理解なんてできなかったのに......。
それにしてもすごく熱心に教えてくるよな
そう、ふと思った。
それに......。
ちら、と教科書を読む五十嵐を見る。
なんだか、こいつがかっこ、いい......?
俺を目の前にしてもニコニコと笑みを絶やさずにいるこいつが、一体なんで俺なんかに勉強を教える気になったのかを。
俺はこういうやつに教えられるのだけは勘弁してほしいかった。
だが、担任の圧ともあっては、断れば何が起こるか知れたもんじゃなく、結局教えてもらうことになったのだった。
昼休み、購買にでも行こうかと思っていたところに、五十嵐がやって来た。
「......八神くん、早速明日の放課後から勉強しよう!」と偉そうに日程を組んでいる五十嵐。
俺より頭がいいから見下しているのだろうか。
「で、勉強するならどこがいいとか、何かある?」
「別に......。放課後に教室とかでいいんじゃねーの?......」
会話が続かず、気まずい雰囲気だが、五十嵐はテキパキ決めていく。
「分かった。先生には僕から言っておくね。じゃあ、明日から早速始めようか」
「お、おう......」
「じゃあ僕、先生に呼ばれてたから! またねー」
あっ、と俺は五十嵐を引き止めた。
「──ぁ、五十嵐、担任から無理矢理頼まれてるだけだったら、やめね?」
俺が言うと、五十嵐はにっこり笑った。
「全然大丈夫だよ。教えることは、僕も勉強になるし」
本当にこいつとやっていけるだろうか、と俺は一瞬固まってしまった。
勉強を教えてもらえるのは普通にありがたいが、どうしてこいつなんだ? そもそもこいつ、自分から教えるって言い出したのか......?
そんなことを考えながら、ひとまず苦笑いをしておいた。
なんかあいつ、本当に俺に勉強を教える気みたいだしな......。
次の日、俺はいつも通り学校に着き、いつも通りにダチと喋り、一応勉強もする。
いつもと違うのは、放課後だ。あいつに勉強を教えてもらうことになるんだ。
「おはよう、八神くん」
朝あいつから挨拶されたのは忘れることにしよう。
最悪の気分だ。心の中で大きなため息をつき、あからさまな作り笑いで誤魔化した。
放課後.......。
ダチはギャハギャハ笑いながら楽しそうに帰っていく。
──が、俺は今から地獄行きだ。
教室に入ると2つだけ机が向かい合わせになっていて、一方に五十嵐が座っていた。
「座って座って! 早速始めよう、八神くん」
「うぃーっす....」
「じゃあまずこのページから...」
少しぼーっとしていた。あまり聞く気にならなかったからだ。適当な相づちを打って終わらせるつもりだった。
──10分ほど経った。
妙な感覚だった。
何故か授業で聞くより、こいつの説明の方がとてつもなくわかりやすい。
おかしい......。
どんな説明でも俺は理解なんてできなかったのに......。
それにしてもすごく熱心に教えてくるよな
そう、ふと思った。
それに......。
ちら、と教科書を読む五十嵐を見る。
なんだか、こいつがかっこ、いい......?
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