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第1章 出会い
第1話
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「ったく......、とりあえずあいつらを当たるしかねぇな......」
もちろん、勉強がすごくできるやつに教えてもらうのは嫌に決まっている。
ああいう奴らはできねー奴のことが分からないし、教え方もどうせ難しいだろ。
そうとなれば、ダチに頼みこむしかない。
あいつらならまだきつく勉強を押し付けてくることもなく、一緒に勉強でもしてくれるだろう。
「......わりぃ、俺パスだわ」
全員口を揃えてそう言った。
「はぁ? なんでだよ」
「俺忙しいし、無理そー」
「大体、俺らも人に勉強教えられるほど、勉強を理解できてるわけじゃねーし?」
みんなで顔を見合わせている。
俺らは、みんな成績下位なんだし、そうだろうとは思ってたが──
「......んでも、俺の留年がかかってるんだよ」
「そんなこと言われてもな、仕方ねえだろ?」
「──まぁ、がんばれよ~」
ぞろぞろと教室を出て行った。
あっさりと見放されて1人教室に残され呆然とする。
「......っ、くそ」
結局、次の日も俺は頭を悩ませていた。
やっぱり1人で勉強するしかねーのか.......。でも、分からねーことばっかだしな──
「八神、担任に呼ばれてたぜー」
ダチの1人が声掛けてきた。
ぜってーろくなことじゃねーし、なんて思いながら職員室に向かう。
「.......じゃしゃーす」
ガラガラ、と職員室の扉を開けるも、相変わらずセンセー方の目線が痛い。
担任の机の方に歩いていくと、
「お前、勉強教えてくれる奴探してるんだって?」となぜか笑いかけられた。
「は?」
なんでこいつがこのことを知ってるんだよ。
「それがどーしたんすか」
さてはダチの誰かが──と、らしくもなく思考を巡らせていると、
「お前に勉強を教えてくれるって言う奴が出てきてくれてな───おい、こっち来い」
担任は俺の後ろの方に手招きして、誰かを呼んだ。
───現れたのは、紛れもなくあいつだった。
「なっ......」
そこにいたのは、俺の苦手な万年学年一位の五十嵐だった。
にっこり笑っている五十嵐。
「よろしくね、八神くん」
もちろん、勉強がすごくできるやつに教えてもらうのは嫌に決まっている。
ああいう奴らはできねー奴のことが分からないし、教え方もどうせ難しいだろ。
そうとなれば、ダチに頼みこむしかない。
あいつらならまだきつく勉強を押し付けてくることもなく、一緒に勉強でもしてくれるだろう。
「......わりぃ、俺パスだわ」
全員口を揃えてそう言った。
「はぁ? なんでだよ」
「俺忙しいし、無理そー」
「大体、俺らも人に勉強教えられるほど、勉強を理解できてるわけじゃねーし?」
みんなで顔を見合わせている。
俺らは、みんな成績下位なんだし、そうだろうとは思ってたが──
「......んでも、俺の留年がかかってるんだよ」
「そんなこと言われてもな、仕方ねえだろ?」
「──まぁ、がんばれよ~」
ぞろぞろと教室を出て行った。
あっさりと見放されて1人教室に残され呆然とする。
「......っ、くそ」
結局、次の日も俺は頭を悩ませていた。
やっぱり1人で勉強するしかねーのか.......。でも、分からねーことばっかだしな──
「八神、担任に呼ばれてたぜー」
ダチの1人が声掛けてきた。
ぜってーろくなことじゃねーし、なんて思いながら職員室に向かう。
「.......じゃしゃーす」
ガラガラ、と職員室の扉を開けるも、相変わらずセンセー方の目線が痛い。
担任の机の方に歩いていくと、
「お前、勉強教えてくれる奴探してるんだって?」となぜか笑いかけられた。
「は?」
なんでこいつがこのことを知ってるんだよ。
「それがどーしたんすか」
さてはダチの誰かが──と、らしくもなく思考を巡らせていると、
「お前に勉強を教えてくれるって言う奴が出てきてくれてな───おい、こっち来い」
担任は俺の後ろの方に手招きして、誰かを呼んだ。
───現れたのは、紛れもなくあいつだった。
「なっ......」
そこにいたのは、俺の苦手な万年学年一位の五十嵐だった。
にっこり笑っている五十嵐。
「よろしくね、八神くん」
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